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横浜青葉店
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魅力

投稿日:2021/10/19

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Photo&Write by Misaki Nakagawa 

Cordi by Nana Tokumasu

 

 

私たちは「被写体の魅力を理解し、その美しさを表現する」カメラマンでなくてはいけない。

クローズアップの写真というのは、被写体の魅力を発見していなければ撮ることのできない写真です。

その子のどんな部分が魅力であるのかみつけること。

そしてその部分をどのように切り取るのが魅力的に見えるのか。

私の原本にクローズアップよりの写真が多いのは、必死にその魅力を探しているその結果が現れているのだろうなと思います。

 

私の周りにいるカメラマンの先輩は、その子の魅力を見つけることに長けた方々が多いように思っています。

私にカメラマン教育を行ってくれた五明さん。

いつも一番近くで人と向き合う撮影を見せてくれている玲理さん。

被写体のらしい仕草や表情を切り取ることが上手なこばちゃん、かおちゃん。

人の魅力を常に探し、向き合っているなっちゃん。

青葉店のフォトジェニックのページを見るとクローズアップの写真をはじめとして、

伏目の写真や横顔の写真、被写体の魅力に迫った写真が多くupされています。

「この子のこんな雰囲気が部分が魅力だと思ったから、こう撮った」というレシピがたくさん残されているのです。

いつもありがたく思いながら、先輩たちの残してくれた様々な写真のイメージを引き出しながら撮影を行っています。

 

 

撮影は日の傾き始めた時間、3着目のドレスでのシーンです。

七五三の撮影できた彼女は、お着物の撮影時は少し硬く、緊張をした面持ちでしたが、

着物を脱いだ開放感と、間に挟まった家族、兄弟との撮影のおかげで、

だいぶすっきりとした表情になり、撮影を楽しむ余裕がでてきていました。

ここまで頑張ってきてくれた彼女の魅力を引き出す1枚を残してあげたいなと考えます。

撮影も大詰め。あと数カットで撮影は終わり。

残したかった彼女の魅力は、大きく黒目がちで、まんまるな瞳でした。

頑張り屋さんな彼女。

着物を脱いで、楽しみにしていたドレスをようやく身に纏った彼女。

最後に、印象的で、彼女の魅力を写した一枚を。


ふっと頭に浮かんだのは玲理さんの撮ったこの子写真でした。

 

 

 

写真分析 / 光で遊ぶ②〜窓の下にて。

逆光によって美しく表現されたこの子の柔らかな肌の質感と、縁取られた輪郭。

写真の雰囲気とマッチする、効果的に入れられた玉ボケ。

この女の子のあどけない可愛さが表現されたような大好きな写真です。

同じように撮るわけではありません。

だって玲理さんが撮った子と、今私の目の前にいる子は違う子だから。

でもこの写真のイメージが自分の中に明確に浮かびました。

 

 

十分な光が窓から差し込んでくるこの時間。

逆光になり、彼女の横顔が捉えられる位置へと回り込みます。

彼女の瞳の丸さが強調されるようにぐっと上を向くようにお願いをして、

自分自身はそれを少し下から覗くような形で寝そべりながらファインダーをのぞきます。

イメージの写真と同じように前ボケを効果として入れ込みます。

強い光に透けて、期待以上に綺麗に玉ボケが生まれてくれました。

彼女がよりかかる壁も前ボケに隠れ、より一層彼女自身に集中することができます。

強い逆光は彼女の肌をより美しく、柔らかにみせてくれました。

手のポーズをつけたのは、イメージにあったことがひとつ。

手を下ろしたポーズよりも肩が上がることによってより女性っぽさが出るだろうなということがひとつ。

最後にお願いをして少しつんと尖らせてもらった口元とのバランスをとるためもひとつ。

構図は2分の1構図。シンプルに写したいものが伝わりやすい構図。

すべては彼女自身に集中するために。

自分が寄れる、切り撮れるぎりぎりまで寄ったトリミングで。

 

きっと日常中ではこんな角度から彼女を見ることなんてあまりないだろうから、

私がみつけた新しい彼女の魅力です。

 

 

最後にコーディネーターのななちゃんへ。

着物での撮影が終わり、ななちゃんにはもっともっとこの子とコミュニケーションを取ってきてねと伝えました。

前述していましたが、着物での撮影時、彼女はまだ硬く緊張をしていました。

とても頑張り屋さんでお利口さんな彼女は、ポーズも完璧にこなしてくれる。

だから、問題なく写真は撮ることができます。

でも、私たちが撮りやすいということ以上に、彼女が撮影を楽しめるようにしてあげてほしい。

そんな気持ちがありました。ななちゃんも全力で彼女に向き合ってくれました。

彼女が楽しめるように、心から笑えるように頑張ってくれました。

その甲斐もあって、最後のシーンには彼女のリラックスした表情を見ることができたと思っています。

 

そして逆にこの1枚を撮るときはななちゃんに「今は笑わせないで」とお願いをしました。

一生懸命に彼女の笑顔を引き出さなくては!と動いてくれていたななちゃんには

「?」という瞬間だったかもしれません。

撮影が終わると「意図が掴めてなくてごめんなさい」と言われました。

そうじゃないよ、頑張ってくれてありがとう。

 

コーディネーターはこどもたちが楽しむことができるように、

その場の空気を作り上げること、空気感をコーディネートすることが仕事です。

それは決して笑顔の写真を撮るためだけではありません。

ライフスタジオの提供する75カットは必ずしも笑顔の75カットではなく、

笑顔の写真もあれば、真剣な顔、伏目などさまざまな写真によって構成されます。

でもどんな表情を残している時でもその子の中に「楽しい」と思う気持ちがあることが重要だと私は思います。

私の思いとして過去に何度か綴っている思いがあります。

 

その子が、その子らしく入れる空間を作ること。

その結果、その子らしいと思える1枚が残ること。

どんなにきれいな写真が撮れていようと、

被写体であるその子自身が楽しむことができていなければ、

その空間を居心地がいいと思ってもらうことができなければ、

私が毎日行っている撮影なんてきっと意味が無い。

 

これが私の撮影におけるモットーです。

だからこの写真を撮る直前まで、ななちゃんが彼女のためを思い、

楽しんでもらおうと働きかけてくれていたことは、決して謝るようなことではないです。

ななちゃんがそうして働きかけ続けてくれていなければ、

私もこんな1枚を残そうとは思わなかったかもしれません。

いつも言葉でうまく伝えてあげられなくてごめんね。

頑張ってくれてありがとう。この先も一緒に頑張ろうね。

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人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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