Photogenic
横浜青葉店
ストーリー
投稿日:2021/7/22     更新日:2021/7/22
2009 1
Photo & Write by Kaori Kobayashi
Cordi by Misaki Nakagawa
in YokohamaAoba
「ストーリーを作る」
ライフスタジオの撮影では、その子らしさをどこまで表現として残せるかを重要視しています。
その子の為の撮影、写真。
ありのままを残したいがために、全てをその相手に任せることは出来ません。
なぜなら自分たちはそのありのままでいられる自然な部分を阻む非日常な存在だからです。
いつもと違う空間に、撮影に、初めて出会う人たち。
そんな環境で「いつも通りお願いします」と言われても、子供でも大人でも、自然でいることは難しいことです。
自然に、ありのままに。
それが可能になるように空間を作り、関係を作り、その中から表現を抽出して表現して行くこと。
それが私たちの使命です。
だから、まずは出会ってから、話しながら、その子がどんな子かを探していくところからスタートしていきます。
その子がどんな子か?どんな好みか?
どんなイメージが似合うかな、好きかな、と。
カメラマンの視点からと、コーディネータの視点からと、両方の視点のイメージを掛け合わせていく所からスタートです。
そして75カットを構成していく上でその子に対するイメージと、
その表現を可能にするストーリーを作って行きます。
ライフスタジオ の75カットは、ぶつ切りの一枚ずつの表現ではなく、流れの中で生まれる一瞬一瞬のつながりにより構成されて行きます。
イメージをもとにストーリーを組み立てることにより、
不自然な流れや声かけで一枚ずつを切り取るのではなく、
ストーリーに合わせた声かけや誘導で相手にも自然な流れを提供し、自然さを演出して行くことができるのです。
もちろん相手のイメージがあってこその大前提ですが、
100パーセント相手に任せるのではなく、
受け取ったイメージ、衣装、撮影の空間決め、声かけ、誘導、その中でも相手を楽しませるための、全力。
全てが合わさって初めて相手の気持ちが緩む瞬間を生み出すことができるのだと思います。
写真の彼女の撮影は、お久しぶりにさきちゃんと一緒に撮影に入りました。
最初に年齢などを加味してどんな雰囲気がいいかな〜デートとかお出かけかな〜なんて。
ある程度ストーリーを考えた上で、彼女とご対面。
七五三撮影で遊びに来てくれた彼女は着物を選ぶ、小物を選ぶのもきっちり自分で決めていて、
こだわりがしっかりある、芯のある、オシャレで女子力高めな女の子でした。
彼女がトイレに行っている間にママさんと話をしていると、
「スタジオの衣装を着たいって張り切って、自分の服は一切持ってこなかったんですよ」と。
着物も含め、お着替えのお洋服も楽しみにしてくれていて、
その様子はメイク中のウキウキしている姿からも伺えました。
彼女の芯を感じながら、私もさきちゃんも各々の観点からどのように撮影して行くかを考えて行きます。
さきちゃんのコーディネーター視点での考えは、彼女のブログにも掲載しておりますので、ぜひ見てください。
→さきちゃんの写真分析
着物に、ドレス、そしてカジュアル。
さきちゃんが提案して、彼女が選んだ衣装は。
シンプルだけどこだわりが光っている雰囲気のスタイル。
彼女にとてもぴったりでした。
思いっきりおめかししたわけではなく、カジュアルなんだけど、
細かいアクセサリーやポイントに彼女のこだわりが詰まっているような、そんな雰囲気。
女の子の友達とちょっと遠出で遊びに行く、そんな雰囲気にしたくて、
少し緑が入るような場所や、窓辺、最後は車のエリアをチョイスして撮影を進めて行きます。
元気一杯な彼女の明るさと、時たま見せる大人っぽさを両方余すことなく表現したくて、
さきちゃんや私が声をかけるたびにふと表情が変わる彼女を。
ファインダー越しに見つめて、シャッターを切っていきました。
瞬間の雰囲気やさりげない仕草を撮った後は車で思いっきり運転してもらおう!
そして最後は笑顔のアップで、行ってきます!をもらおう、と窓から覗いたところ、
じゃあね〜と手動で動かす窓を閉め始める彼女。
ええええ!待って!待って!
最後カメラ見てお願い!!!一瞬ちょうだい〜〜〜〜〜!!!
と、叫びながら彼女が窓ガラスを閉める一瞬のいたずらな笑顔を捉え、撮影は終了。
1シーン全てがお気に入りの流れとなりましたが、
最後のこのいたずらな笑顔の一枚が、彼女らしさが満点でとても気に入っています。
技術的な部分の話をするならば、
今回は「イメージ」と「ストーリー」、そしてコーディネーターと観点や考えをすり合わせることの重要性の話をしたいです。
彼女と出会い、いろんな会話や情報をもらう中で。
彼女の性格やイメージが自分たちの中で出来上がり、
コーディネーターは衣装を提案し、カメラマンはその衣装を見てさらにイメージを膨らませ、流れ「ストーリー」を頭の中で考えて行きます。
さらにコーディネーターとそのイメージを話し合うことで、
お互いが共通認識を持った上で撮影の流れを作ることができ、呼吸のあった声かけやシャッターの瞬間を生み出すことができ、一枚の表現のクオリティにつながって行き、75カットの流れを生み出すことにつながっていくのだと思います。
もちろんその一瞬を逃さないためにカメラの技術的な要素も多くなければいけないのですが。
改めて、今回ストーリーという原点に立ち返り、
おろそかになってはいけない部分であり、ライフスタジオ の75カットを構成する上での重要なポイントであると感じました。
そんでもって。
とにかく、それが楽しくて、仕方がない。
それがお客様目線からも、私たち目線からも楽しむために必要なことだと思いました。
毎日出会う沢山のご家族、お子様に対して向き合う中で、
どんなストーリーを生み出せるか?残せるか?楽しめるか?楽しんでもらえるか?
何年経っても毎日緊張ももちろんありますが。
それが楽しくて仕方がないことを、私たちは何年経っても忘れてはいけないと強く思いました。
彼女との出会い、そしてコーディのさきちゃんと家族とみんなで作った撮影と。
彼女のためのストーリー、そして締めくくりのこの一枚。
彼女や彼女のご家族にとっても大切な記録になっていたらいいなと思います。
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