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写真分析 / 妹〜She's always a woman, ~Reiri Kuroki~

投稿日:2017/11/10

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Photo&Write by Reiri Kuroki
Coordi by Natsuko Takagawa

@Yokohama Aoba



She's always a woman,
彼女はいつだって、『女性』である。


その魅力は、涼しげな眼差しや少しクールな態度に現れていました。

兄と一緒に、ハーフ成人式の撮影に来てくれた女の子。
年頃の女の子らしく、家族写真やきょうだい写真でくっつかせようとすると少し躊躇いを見せます。
ちょっとやだな。そう思いながらも、とりあえず、初対面の大人への礼儀として最終的にはこちらのお願いした通りにしてくれる、大人びた配慮ができる女の子でした。
お兄ちゃんより少し背が高くて、そのことが話題に上がるとちょっぴり得意気になって、その表情はやや小悪魔な様相を見せます。笑
10歳の女の子。その魅力は、計り知れません。


ドレスアップした彼女は、もう一人前の女性のようで、撮影者の写欲をかき立てる存在感を放っていました。
その物腰は柔らかく、大人びたドレスの裾を美しく翻して歩きながら、こちらの指示を待つひとりの『女性』。
彼女に相応しい空間、光として選んだのが、この場所でした。
この時期のこの時間、いちばん光が差し込む場所で。直線の多いインテリアではありますが、だからこそ、彼女の女性らしい有機的な曲線が活きると踏んでの構成です。
露出は、敢えて少々アンダーな設定にしました。そうすることで、差し込む光の存在感が際立ちます。
その分彼女には、顔の向きを光源の方向に向けてもらいました。顔に光が当たらなければ、写真の全体の印象が暗くなり過ぎてしまい、ただの露出不足な写真になってしまう可能性があったからです。
顔を上げることで、輪郭を美しく光が縁取り、その印象を作ります。
カメラの手前には、アクリルのガーランドやスパンコールのレースを被せながら、その形がわからないくらいにぼかして、ふわりとしたフィルターの効果を入れています。全体の中の光が柔らかく見えると同時に、写真の中に奥行や空気感が生まれました。
窓からの光を光源としながら、その光が直接当たる場所や間接的に当たる場所、そのそれぞれで階調と露出比が表れることで、写真に深みが表れるのではないかと思っています。
例えばそれは、『1の次は2』『2の次は3』といった明確で単調な区分ではなくて、1と2の間には1.2や1.6といった、見落としがちな、段階的な幾つものディティールを内包することを思い出させてくれるかのような、そういう表現。

彼女自身もまた、ある日突然『大人の女性』になる訳ではありません。
生まれた時から『女性』であり『娘』であり、『妹』であり『Baby』であり……そのそれぞれの特性を幾つも内包しながら、時に強く表に出てくるそれらの中で、だんだんと、『こども』の特性が影を潜めながら、『女性』の特性が主立って出てくるようになっていくのだと思います。
クールな立ち居振る舞いではありましたが、それもまた『大人』の特性を滲ませながら、『こども』としての照れ隠しであったのかも知れません。
その横顔は美しく、彼女自身のディティールを、感じさせるものでした。


後日、彼女のママさんから、Guest storyでコメントをいただきました。
曰く、『娘は、くろちゃんの仕事ぶりを見て、かっこ良くて憧れの女性だと刺激を受けていました。
あの日あんなに、まるで大人の女性のような彼女の魅力に、写欲をかき立てられる程刺激を受けたのは私の方だと言うのに。
私も、彼女の目から見たら、そんな風に見てもらえたのでしょうか。

内包されるディティール。それは深みとも、魅力とも言えるものなのかも知れません。
被写体に、空間に、光に、写真に。
そのひとつひとつを、繊細に写し出せるようになりたい。

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