Photogenic
横浜青葉店
scrollable
表現方法の発見 ~Misaki Nakagawa
投稿日:2017/7/18
1147 0
Photo by Reiri Kuroki
Coordi&Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba
Coordi&Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba
青葉店で案内をしているハーフ成人式の撮影は通常のキッズ撮影とは少し異なっている。
コーディネートの打ち合わせは時間をかけて念入りに。
希望があればヘアメイクも案内する。
そのため通常の撮影枠より少し早めの15時にご来店いただく。
ご来店前に数年前に撮影された越谷店での写真を確認すると可憐な女の子が写っていた。
とはいってもこの姿はもう何年も前の姿。
この数年でどんな成長をしているのだろう、と期待が膨らむ。
時間になり、青葉店へとアイス片手に現れた彼女。(この日は夏日でした^^)
ちょっぴり恥ずかしがり屋さん、でも実は空手の実力者で、でも女の子らしくて素直なかわいい子。
そんな10歳に成長した彼女とどう関係し、どう表現するのか。
1着目では空手の胴着に身を包み、凛々しい表情で型を披露してくれた。
凛々しい姿から一転、髪を巻いてドレスに着替えた2着目。
2階への階段をあがって行ったところ正面にある水色の部屋。
夕方に近くなるとたくさんの光がそそぐ窓の格子に寄りかかっての撮影。
このシーンで撮られた1カット目の写真がこの写真だ。
前ボケになるストールをもって、正面の階段前落ちそうなギリギリのところで望遠のレンズをかまえているカメラマンのれいりさんと、
狭い場所なので横によけているわたしが見えている彼女の姿はもちろん違う。
だから「きっと今こんな風に撮っているのだろう」というのを精一杯想像する。
こんな時コーディネーターとして私が出来るのは「髪が顔にかかってないかな」とか「髪飾りの向きは大丈夫かな」とか、
あとは緊張すると唇を噛んでしまう癖のある彼女に、力が抜ける様にちょっぴりふざけた声掛けをするくらい。
その間、正面でカメラを構えるれいりさんの集中した気配を感じながら。
きっとこの1枚は印象的で素敵な1枚になる。
そんな風に期待をしながら、シャッターがきられる瞬間を待つ。
実際に私が撮られた写真を見ることが出来るのは彼女と一緒のモニターの時。
スライドショーを見ながら「こう撮っていたのか」と発見をしながらみる。
凛々しい道着姿の1シーン目。
和気あいあいとした雰囲気の家族写真が2シーン目。
そして3シーン目。
この写真をみて「おぉっ?」というのが正直な第一印象。
とてもきれいな写真だけどこれは写真スタジオの写真として認められる写真なんだろうか。
これはすごく写真館的な考えかも知れないけど、
新しい衣装での1シーン目というのは衣装全体がうつるように全体の引き写真が撮られることが多い。
これはライフスタジオにおいても言えることだと思う。
でもこの1枚は全身写真ではないどころか、前ボケでほとんど衣装の見えていないカットだった。
(もちろん他のカットでは全身でしっかりドレスの写ったカットはあるので何の問題もないのだけれど。)
これだけの前ボケを入れた理由は何か。
前ボケを入れる理由は「場所の整理」だったり「見せたくないものを隠す」ためだったりする。
でもこの写真にいれられた前ボケの意味ってそれだけなんだろうか。
撮影者のれいりさんに聞いてみた。
この写真を撮った意味のひとつは「被写体との距離を表現するため」ということだ。
距離を表現するために自分と被写体のあいだに前ボケを入れて、物理的に自分と被写体を切り離した。
なぜ距離感を表現したかったのか。
それは彼女が大人とこどもの中間地点にいる10歳という年齢の被写体だからだ。
もしかしたら撮られることへの不安もあるかもしれない、喜びもあるかもしれない、
そんな微妙な心境も表現するために距離を作ったのだと思う。
こういう前ボケの使い方もあるんだなというのが新しい発見。
2シーン目の1カット目にこの写真を持ってきたのは、1シーン目からの変化を表現するためだ。
凛々しさから一転した、柔らかな光と前ボケで包まれた女性らしさの表現。
75cutのなかで変化をつけて1枚の写真だけではなく連続する流れによって表現をする。
そんな方法もあるんだな、というのがまたひとつ発見。
この写真が「写真館的な写真」かといわれればそれはNoだと思う。
でもライフスタジオでカメラマンが撮っているのはいわゆる「記念写真」だけではない。
1枚の写真で表現したいこと、75cutの中で表現したいことがある。
すべての写真がカメラマンの様々な意図をもって撮影されている。
私は今はまだファインダーを覗いてはいないけれど、
カメラマンと被写体に一番近いところにいて、その空気感を共有している。
もっと意図を掴めるようになりたいと思う。
いつか自分も意図をもって写真を表現できる人になれるように。
この記事をシェアする
サイト内投稿の検索
- トップ
- 店舗紹介
- 横浜青葉店
- Photogenic
- 表現方法の発見 ~Misaki Nakagawa