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もっと、自由に…

投稿日:2023/3/29

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例えばお宮参りのベビーちゃんが来た時
新人のフォトグラファーは大体焦ります。
不安要素があるからです。
・赤ちゃんが自発的に表情をコロコロ変えてくれない(偶然の良い表情はない)
・赤ちゃんが自発的に動き回ってくれない(偶然の写真の変化は訪れない)
・赤ちゃんが思った瞬間に起きていてくれない、もしくは泣かないでいてくれない(時間コントロール)
・お祝い着のお着物をかけた写真に時間を取られる(撮影時間が短くなる)
・赤ちゃんが首や腰が座っていないので触れない(誰かに指示を出すだけのリーダーシップ)
それ以外にも多分たくさん不安になる要素があります。
結局それらは全て、わがままだなぁと私は考えています。

では走り回るお子さんに対してはどうでしょう。
・子どもちゃんがこっちを見てくれない(良い表情の誘導ができない)
・子どもちゃんが思った場所で止まってくれない(ポーズや光のコントロールができない)
・着物を着るまでに嫌がって泣いてしまう(撮影時間が短くなる)
・着物が着られても立ってくれない とかね。
これ、結局、100日の赤ちゃんだろうが3歳のお子さんだろうが
私たちが、彼ら彼女らを思う通りにしようとすればするほど
全く同じ壁に当たっているということに気づきませんか?

私たち、フォトグラファーがわがままなんです。

本来、子どもちゃんにも赤ちゃんにも感情やリズムが当たり前にあって
それらを尊重するべきだし、私たちがその自由時間をむしろお借りして
「撮影させてもらっている」んだと私は考えています。

100日の赤ちゃんだから85枚の写真が撮影できる気がしません、とか
動き回るお子さんだったから撮影ができませんでした、という話を聞くたびに
私は、とてつもない違和感を覚えるのです。

尊重しましょう。彼ら、彼女らの命やリズムを。

足袋は嫌かもしれません、今は眠いかもしれません。
撮影の流れ的にはすんなり足袋はいて着物着て立って嘘みたいに笑ってくれたら
そりゃ早く終わるかもしれませんが
私たちの創意工夫はどこで発揮されましょうか?

授乳したっていいじゃないですか、その分予定にない撮影しても。
眠っちゃってもいいじゃないですか。
きっとパパやママにもお話しすればご理解いただけます。
足袋履くまでに10分かかってもいいじゃないですか。
押さえつけて無理やりより、そんな日は白い靴下で代用しましょうよ。

私はいつも、心に命じています。

今日は撮影させてくれてありがとう、
安全であったら、あとは自由にしてていいよ、と言えるだけの自分で在れるように、と。
5分あればワンシーン撮影できる技術を私が磨けば
10分永遠に走っててもらってもいいのです。

私もパパやママと雑談を楽しみましょう。

結局、誰かや何かのせいにしたがっているだけで
自分に技術がないだけではないですか。
自分も含め、自戒します。

この写真は、お宮参りの撮影と七五三の撮影があった枠で
兎にも角にも着付けができるか?となる元気な男の子と
授乳が終わって移動した私の腕の中で眠てしまった二人の
今だからできる最高の兄弟写真です。

彼は、弟のお耳が大好きだとお聞きしました。
ああ、お耳を触った写真が撮影できたらいいなとわがままな私は思いました。

でも、それは叶いませんでした。

ただ、彼は生まれたばかりの弟君のお耳の匂いを胸いっぱい嗅いでくれました。
10年後くらいに、「すごくお耳が好きだったんだよ」とお母さんが彼らに聞かせてくれますように
願いを込めてシャッターを押しました。

もちろん、彼を信じました。
彼はきちんと足袋を履いてくれましたよ。
誰も声を荒げるでもなく、「大丈夫ですよ」と言って微笑んで待てました。
パパもママも同じでした。
最後はきちんと着物を着て、お宮参りのお祝い着の弟君と一緒に
フォーマルのご家族撮影もできました。

長時間粘ればいいわけではないのです。
無理やりやればいいわけでもないのです。
ただ、信じましょう。
そうすれば、彼ら彼女らは私たちのことを一瞬心の中に入れてくれます。

その瞬間を信じて、パパママにたくさんのお願いをしながら
ただ、愛を込めてシャッターを押しましょう。
私たちは写真を量産する機械ではありません。

85カットのドラマを生み出せるフォトグラファーであり
時間やお洋服や全てをお任せいただけるコーディネーターであるはずです。

今日もたくさんの汗をかきました。
子どもたちと全力で遊んで、本気で向き合って、最後まで信じました。

そんなフォトグラファーやコーディネーターがライフスタジオにはたくさんいるはずです。

 

photographer:mari
coordinator:momone
kimono:momone
help photographer:rinko
help coordinator:ruka

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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