朝起きて身支度をして朝ご飯を食べて、自転車に乗って仕事に向かう。

家から仕事場まで、今ではすっかり慣れたけど、それでも少し長いなと感じることがある。

いつも通る立派に育った桜並木の長い道。春には満開の桜が咲き誇り、自然と目線も口角も上を向く。

 

昔好きだった初夏のあの感じ。新緑と優しい風に包まれながら自転車をこぐ。

まだ優しい太陽の光が木々の間を通て、ちらちらと揺らめきながら心地よいリズムを作る。

川を流れる水もどこか生き生きとしていて、その流れに身を任せるように、その姿に魅了されることがある。

そしてたぶん、思い出の中にあるあの幸せな時間はもう二度と訪れない気がする。

 

何でもない日常の中で感じる美しい瞬間たち。時は刻々と流れて行ってしまうけど、

写真はそんな美しい瞬間を、その時感じたままに記録することができる。

 

美しさとは何か。そういわれると急に考え込んでしまうけど、

目で見て耳で聞いて、その時感じた「ああ、いいな…」という感覚は、

美しさに通じている気がする。

 

焦らずに、でもその感覚を大切にしながら、

自分がいいと思ったその時にシャッターを押せるようになりたい。

 

 

 

写真：上田

コーディ：丸ちゃん(丸山)