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帰省

投稿日:2019/7/3

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6月の終わりのこと。

初めて赤ちゃんを連れて奥さんと3人、実家へ帰省した。

 

植物好きなばあちゃんが植えた木がとても大きくなっていた

 

私にとっては2年ぶりの帰省だった。

町の様子を肌で感じたくて、家の周りを少しだけ散歩してみた。

ほとんどあの頃と変わらないようでも、少しずつ変化している。

 

 

町は農業と漁業に携わる人が多く、街からは遠く離れている。

偶然なのだろうか、人っ子ひとりとも出会うことはなかった。

飛び出すな!という子供の絵の標識が、妙に目立って見えた。

 

いつもの自販機でジュースを買って、子供の頃を思い出していた。

あと10年もすれば町の様子はもっと変わってしまうだろう。

 

いつも眺めていた家の外の風景は何も変わっていない

 

亡くなったばあちゃんが植えた植物が今年はきれいな花を咲かせていた

 

いつからか家に住み着いたミーちゃんは今も元気

 

遠くの空に日が沈む中、自然と漁港へ歩みを進めていた。

特別何かがあるわけではない。ただこの目で確かめたかった。

 

 

20年後、ここに戻ってくることはあるだろうか

 

重厚な造りをした水門の隙間を西日が通過する

 

長い年月をかけて堆積した有明海特有の泥

 

こどもの頃から不思議だった謎の施設

 

何も変わらないいつもの道でもどこか違って見えてしまう。

人も歳を取れば風景も歳を取るのだろうか。不思議な感覚だ。

 

 

見えなかったものが見えることもあれば、

きっと見えなくなったこともあるのだろう。

 

 

小さい頃はすべてがここにあって、道は家に続いていた。

でも今は違う。お別れを告げるようなそんな気分だった。

 

太陽はそんな私の気も知らず、お構いなしに反対側へ消えていく

 

 

空ってこんなに高かったっけ

 

謎の施設2が不気味さを増していた

 

 

そろそろ家に帰る時間。田舎の夜道は街灯が少ない。

でもその分、空は暗く星は明るく見えるものだ。

 

 

また今度帰ってくることがあれば、同じ道を歩こう。

そんなことを思いながら家路についた。

 

 

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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