大切なものは誰にも見つからない秘密の場所へ。

小さい頃、誰も欲しがらないような物でも宝物に思えた。

その辺に転がっている石ころでさえもその色や形が特別に思えて、

なんでもポケットの中に入れていた。ポケットは宝箱だった。

 

大人には分からない輝きを子供たちは日常の中に見出している。

どうしてそんなモノをと思うこともあるが、彼らは至ってまじめ。

でも、ひとつのモノに執着したかと思ったら、案外コロリと変わってしまう。

 

ポケットの中身もいつかは変わってしまうことだろう。

だから今、彼・彼女が好きなものを写真に残してみたいと思う。

そしてその好きなものを通して現れる姿を残してみたい。

 

大切なものは大事に大事にどこかへしまっておいて、

またいつか昔を振り返る時にでも出してみたらいい。

写真はそのために力を貸してくれるだろう。

 

お気に入りだったスタジオにある小さなバスも、

そしてそれをコッソリとどこかに隠そうとする姿も、

今しかない愛おしい瞬間。

 

そうやってどこかに隠されたおもちゃたちを

今日も探す。発見に終わりはない。