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大宮店
ありのまま
投稿日:2018/11/25
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地元を出て初めて埼玉に出てきた時、とても不安だったことを覚えている。
よく調べもせず決めた1Kのアパートに持てるだけの荷物で越してきて、
真冬のそれは寒い夜を寝具なしで何日か過ごした。
全てのことが初めてのように感じられて、何をしても落ち着かなかった。
仕事をしてもご飯を食べても寝ても起きても何もかもが違っていたように思う。
漠然とした不安の中で心が挫け、家に帰りたくなったこともあった。
でも結局家に帰ることはなく、あれからもう6年もの時が経とうとしている。
そして、今年の4月、
奥さんのお腹に小さな命が宿ったことを知った。
それを聞いたときは体中に電気が走ったような、そんな感じだった。
素直にうれしかった。
まだふくらんでもいないお腹を撫でてみたり声をかけてみたり、
子供の性別や名前の話で当たり前のように盛り上がり、
お腹が大きくなったら写真を撮ろうと、そんな約束をしたりもした。
そして30週を迎える頃、仕事終わりの職場で写真を撮った。
しかし、実際に撮ろうとなるとなかなかイメージが沸かないものだ…。
そんなことを思いながらこれまでの時を振り返ってみる。
それは正直、想像していたようなものではなかった。
多分それは奥さんが誰よりもそう思ったことだろう。
十月十日。ママは赤ちゃんと一緒に同じ時を過ごす。
それは初めての連続で、嬉しいこともあれば辛いことも沢山ある。
お腹にいる間、出産、そして子育て…。人生観が変わることもあるというほど
長いようであっという間のその濃い期間を今私は彼女と一緒に過ごしている。
そんな姿を隣で感じながら、私は今の彼女そのままを写真に残した。
彼女という一人の人として、妻として、そして女性として、
様々なことが自分の意思とは関係なく目まぐるしく変化していく…。
1人どこかに取り残されたような、それでも必死に戦っているような、
そんな等身大の写真を撮ったし、そういったものが良いと思った。
よくあるようなマタニティー写真ではないが、
今抱えている喜びも不安も涙もすべてを含めて、
いつか良い思い出になればと願いを込めて。
photo : Ueda
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