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私がここで働く理由とその選択について
投稿日:2017/10/18
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よく人生は選択の連続だといいます。
自分ではそのつもりがなくても、結果的に自分が選択をして今があるのだと思っています。
でもその反面、今私がこの場所にいることが不思議でしょうがなくなることがあります。
両親や兄弟のいる地元の佐賀を離れ、関東に上京して毎日写真を撮る仕事に就いている。
そんな日常の中にいて、それが当たり前になってきていますが、それをたまに不思議に感じます。
そもそも私が写真なんてと、そういう思いがどこかにあるのも事実です。
でも写真を生業としている以上、私にとって写真を撮る意味を探すことは大切なことだと考えています。
そしてそれと同時に、なぜライフスタジオなのかということも改めて考える必要があると感じています。
大宮店で働きだして早3年目に入りました。別の部署で働いていた期間を合わせると、
ライフスタジオではもう6年目になります。正直ここまで長く続くとは思っていませんでした。
いつもそうですが、振り返ってみると時間の流れはあっという間に感じます。
私がここに入社した動機は、人に関する教育や取り組みが面白いなと感じたからでした。
人との関係や自分という人間について常に悩みを抱えていた私としては、ぴったりな場所に思えました。
写真を撮るということはどちらかと言うと二の次だったと記憶しています。
この5年間、紆余曲折あり、自分の未熟さゆえに失敗したことの方が圧倒的に多かったと感じますが、
そんな中でもここで働くことを選択し、働き続けて来て良かったと思っています。
最初地元を離れて一人慣れぬ関東の地に来た時は、恥ずかしながらホームシックにもなりました。
寒い冬の日に少ない荷物と一緒に越してきて、何もない部屋にダンボールを敷いて寝ていたのが、
今となっては懐かしくもあり、ちょっぴり惨めな気持ちにもなります。
あの頃は変なところに自信があって、それでいて不安定で、周りの方には迷惑をかけたと思います。
それでもそんな自分を時に厳しく、そして時に優しく接してもらえたことは忘れていません。
なんだが卒業していく者の言葉のようになってしまいましたが、本当に感謝だなと思っています。
そしてこれまた縁があって大宮店で働くことになり、久しぶりの現場に戸惑うことも多々ありましたが、
今ではご来店されるお客様を含め、多くの人に支えられて毎日写真を撮らせてもらっています。
写真を撮ることで得られる充実感や緊張感はどうしても最初の頃とは少しずつ違ってきますが、
今はあの頃とはまた違った視点や感覚を持つようになってきたなと感じます。
写真の技術の向上は仕事としてもちろんのことですが、私個人としてはやはりここで働く以上、
人というところを常に先頭に置かなければならないと考えています。それは私が最初に抱いた入社の動機と
何ら違いはありません。環境や状況の変化はあったとしても、そこを忘れてはいけないと思っています。
私たちは何を撮っているのか。それは当たり前ですが人です。物ではありません。
私がカメラマンになる準備をしていた頃に、先輩カメラマンに言われた言葉が印象的でした。
「技術を人に当てはめるのではなく、その人らしさを表現するために技術を使うことが望ましい」。
ライフスタジオでの良い写真の定義とは、写真技術的な光や構図の美しさももちろん含まれますが、
第一はやはり被写体の持つ良さが写真に表れているかだと思います。人はひとりひとり姿形が違えば、
考えることも違います。言い換えればそれはそれだけの数、美しさに幅があるということです。
それを技術的な光や構図でひとまとめにすることは、被写体の個性を無くすことに等しいと思います。
だから撮影では、その人だけが持つ美しさを発見し、それを写真を通して表現していく必要があり、
その為に技術を用いるという順序になるのです。
ではどうやって発見するのか。私たちはその為に日々教育を通して人について学んでいます。
一般的な概念はもとより、人それぞれが持つ考えについても意見を交わす必要があります。
自分という狭い世界の美の概念だけでは、外に広がる未知なる美に気づくことはできないからです。
だから常にその美しさの幅を広げなければならない。それはなかなか大変なことにも感じます。
しかし、それこそが私がここで働く理由であり、私が目指す写真の形だと思います。
四角形の狭い世界のなかで、どれだけ現実を直視し、それを写真に昇華させることができるのか。
ただ目の前のものを写すのではなく、目の前の誰かと関係を結びながら、何かを感じながら、
それを美しく表現するために条件を設定し、そしてシャッターを切る。
そんな風に撮影できるカメラマンになりたいなと思っています。
そしてそう思わせてくれる仲間たちが近くにいてくれることが感謝だと思っています。
たぶん終わりはないと思います。気の遠くなる道のりですが、だからこそゆっくり行こうと思います。
そしてまた何かを選択することになっても、この核心的なものだけは忘れないようにしたいです。
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