1年もすれば色んなことが変わってくる。

最近だと、おなか周りが緩んできたことだったり、
白髪が増えたことだったり、お風呂上りの鏡の前でそんなことを感じる。

彼との出会いは1年前。その頃の自分がどうだったかは覚えていない。
でも彼のことはよく覚えていた。特徴的な髪型と面白い仕草。
いきなり繰り出される謎のポーズに、思わず笑いながら撮影していた。

今年も写真を撮りに来てくれると知って、また撮影に入ってみたいなと思った。
あれから1年。どちらかというと変わっていないことを期待していたと思う。

そして彼は変わっていなかった様に見えた。1年前と同じ髪型、そして仕草。
ちょっとした違いは感じたが、あの時と同じ雰囲気を感じた。

でも本当のことは分からない。今見て感じていることはほんの一部でしかない。
それを知るための時間も限られている。そして私自身もたぶん一年前とは違っている。

ただ確かなのは、彼が彼であることと私が私であること。
髪型が変わろうと、服装が変わろうと、そこだけはたぶん変わらない。
何処かへと向かっていく歩みそのものが、彼が彼であり、私が私である理由なのだと思う。

そして、毎日スタジオに訪れる子供たちのために私に出来ることと言えば、
彼らの変わらないよさと、変わったことを写真に残すことなのだろう。
その小さな歩みの瞬間瞬間をレンズ越しに捉えながら、
もっとそのよさを上手く現せないかと悩みは尽きない。

1年後、彼はどうなっているだろうか。私はどうだろうか。
写真を撮ることで、たぶんそれは姿を現すだろう。

今からは想像もできないが、その時も是非、
彼の変わらないよさと、変わったことを記念として写真に残したいと思っている。