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母と子

投稿日:2013/4/11

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私はストレートの表現が好きだ。
どんな被写体なのかがわかりやすくて、伝わりやすいシンプルな表現された写真がいい。


被写体の彼は、1歳ぐらいの妹がいる兄だ。
「兄」という被写体を表現しようとした時、かっこよく撮影したり、力強い感じに撮影したりすることが多い。
なぜなら私は「兄」というのは、しっかりしなければならない。わがままを言ってはいけない。弱音を吐いてはいけない。
など弟や妹の見本になるようなことを求められる存在だと思っていたからだ。
彼を撮影しようとした時、緊張のあまりか立ちすくんで、涙がぽろっと流れ、その場を逃げるようにお母さんに抱きついた。
わが子を抱きしめたお母さんは、「大丈夫だよ」と安心させるような言葉をかけた。
妹が撮影している時も遠くから眺めていたりしているだけだった。
はっきりいうと、私が想像していた「兄」の存在とはまるで違っていた。
彼は甘えん坊で、怖がりで、恥ずかしがり屋でお母さんが大好きで、お母さんも「お兄ちゃんなんだから」と言う事もなく、彼の求めるように抱きしめた。
妹と家族の撮影が終わり、彼一人の撮影をした時に、1時間前の彼の姿はなかった。
緊張していて立ち尽くしていた彼が、まるで嘘だったかのような爆笑というほどの笑顔で、逆に真剣な表情が撮影できないぐらいアシスタントと仲良くなっていた。

私は、「兄」という存在に理解不足であり、固定概念が染み付いていたことをお母さんの姿を見て、もろく崩れていった。
「兄」だってまだまだ「子供」なのだ。
そして子供がどうしようもないときに唯一甘えられる絶対的な存在が「母」であり、絶対的に安心できる揺るがない存在がいるからこそ彼はできたのだと私は理解する。
もし彼が大きくなって、行き詰った時にはこの写真を見て希望を持って欲しい。
帰れる場所があるんだ。と・・・・。

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人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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