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水戸店
小さな小さなストーリー
投稿日:2019/6/20
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小さな体に背負う、ランドセル
詰め込むのは、将来の「夢」か「道標」か
小さな一歩から始まる、小さなストーリー。
「シンプル」にすることのメリットは、
見せたいものに集中させること、
見てくれる人に、想像の余白を残すことだ。
逆に、見せたい「もの」の意味がはっきりしてなかったり、
描ききれていない場合、味気のない写真になる。
試させるのは想像力。
(といっても、非常に乏しい想像力を駆使して)
「入学記念」はありがたいことに、わかりやすいテーマだ。
登校の準備をするイメージが、ふと湧く。(考え方もシンプルだ)
見せたいのは、教科書を入れる行為。
「教科書を入れる」ときは、被写体はカメラを意識せず、
見ている側も、被写体を客観視する視点に立つことから、より抽象的になる。
写真の性質として、カメラを意識させない「絵」は、得てして抽象的と言われ、
広く撮ったり、余白を残すことが多い。(らしい)
ここで構図は固まり、レンズは「24-70mm」にて、広く撮ることに。
次に「行為」をどう導き出すのか。
教科書は、並べられた本棚から、取ってもよし、
机の上に重ねて置かれたところから、取ってもよし、
いかようにも、シチュエーションは考えられる。
上記の場合、イメージはより具体的になるが、
ここでもあえて抽象的な方向に踏み込んで見た。
広く撮ることで生まれる空間に、本を無造作に並べ、
その本を順番に入れてもらうのだ。
この手法は、空間を埋めるために使われ、
同時に、奥行き感をだし、視線を誘導する役割も果たしてくれる。
(あえて言えば、もう一歩手前に、本が一冊ほしかったが、そこは、技術が乏しいゆえの、抽象的ではない理由がある。)
あとは、本人にランドセルを開けてもらい、
手前の本から、丁寧に、ランドセルに入れてほしいと懇願するだけだ。
子供には個性があるがゆえに、動きも一辺倒ではない。
立った状態で、本を拾い集めることもあるだろし、
ランドセルを移動させながら、かき集めるように入れる子もいる。
その場合でも、シャッターは押す。その子だけしか撮れない写真を収めるために。
が、幸いにも、写真に写った彼女は、
座った状態で、手前の本からランドセルに本を入れてくれた。
覗き込むようにして、そっと。。。
この可愛げな仕草が、写真のストーリー性を高めてくれたように思う。
尊敬する写真家の言葉。
「ストーリー性のある写真を撮る」
それがキッカケで、今回の写真を分析してみた。
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