Photogenic
水戸店
【 光と影とetc. 】
投稿日:2018/12/20
2909 1

写真を撮る時に大事な構成要素の一つ。
それが「光」です。
これで写真の良し悪しが大体決まります。
綺麗な光か汚い光か。
今回は光のお話。
光というのは普段生活していて当たり前にある存在です。
太陽の光、蛍光灯の光。はたまた炎の光など多種多様な光があります。
さらにそこから、強い光や弱い光という光の強弱。
堅い光や柔らかい光という光の硬度と種類が分裂していきます。
僕らのスタジオがよく使うのは太陽からの光、つまり自然光ですね。
写真のクオリティを上げるには最低限、光をある程度見れる目を持っていないといけません。
自然光といいますか、光というのは光源から発生されるとまっすぐ一直線に進んでいきます。
それを被写体にどの方向から当てるか、当てるとどのような効果を被写体に与えてくれるか。
よく僕が使う光は逆光とサイド光です
以前も説明した通り、逆光というのは被写体に対して後ろから光が来ていることをいます。
効果は、明るく撮れば写真をふんわり、優しくしてくれる効果があり、アンダー目で撮ればかっこいいドラマチックな写真にしてくれます。
次にサイド光。これは被写体の側面から光が来ている状態。
効果は、被写体の凹凸部に影をつけてくれるということ。
そうすることにより明暗差ができて立体感を出してくれるということです。
ライフスタジオは自然光撮影をメインとしています。
そのため、お店には大きい窓や、その場所に効果的な光を入れてくれる窓が多数ありすごく助かっています。
しかし、これにはメリットとデメリットがあるということ。
まずメリット。
一つ目「光がたくさん入る」
まずはこれですね。自然光を売りにしているスタジオなのに自然光が入らなかったら話になりません。
窓のサイズが大きいということはその分光がたくさん入るという事。
そうすることによってシャッタースピードを稼げますしいいこと尽くしです。
二つ目「写真の背景として使える。」
これもありますね。窓というのは色々な窓がありますけど、基本長方形です。
長方形や正方形は綺麗な同じ長さの線で作られています。
線というのは写真においてとても重要なものなのです。
それを垂直水平に背景に入れることによって安定感がまし、クオリティの向上につながるということです。
次にデメリット。
「様々の方向性の光が来てしまう」
主にこれです。最初に書いた通り光というのは普段生活していて当たり前にある存在です。
光があるから明るく見えるし、写真もとれる。
確かに普通に写真をとれば映ります。
しかし、いい写真を撮ろうした時にそれはそれは物凄く厄介な存在に変わるのです。
それは色々な方向からの光が来て、逆光やサイド光を作りづらいということです。
ではそのデメリットを抱えいかに撮影するか。
個人的に一番避けていることは順光になることです。
順光を綺麗に撮るには高度な技術が要求されます。ですのでなるべく逆光やサイド光がくる位置に被写体を置きます。
それか最悪の場合、窓を板で塞ぎます。
そうして光を簡略化させています。
では、今回の写真を見ていきましょう。
この写真、一見サイド光ですね。
左側に大きな窓がありそこから光がたくさん入って来ています。
でも本当はそれだけではありません。
実は、こちらの写真は写真では見えませんが被写体の後ろ側にリファ(蛍光灯みたいなもの)があり、そちらも点けて補助光として使っています。
意図としましてはサイド光一灯だけもいいですがそうすると顔の一番窓から遠い部分が結構暗くなってしまいます。
男の子の撮影ではメリハリがあっていいのですが、今回は女の子。なるべく透明感を残したく、暗くなってしまうとそれが半減してしまうのです。
それを防ぐために後ろのライトをつけて軽く逆光を作っています。
さらに被写体の右側が白壁になっており、画面左、窓からの光をバウンズ(反射)させて服をなるべく立ち上がらせてあります。
図を用意したのでご覧ください。
ピンク色が今回メインライトにした窓からのサイド光。
オレンジ色がリファからの補助光です。
補助光をつけることにより、このオレンジ色の部分に光がきて暗くなるのを防いでいます。
補助光がないとここの部分が暗くなってしまい透明感が消えてしまうということです。
今回、メインが逆光ではない為とある物が被写体に出ます。それが「影」です。
やっと主題の二つ目が出ましたね。遅くてすいません。
光があるところには影もできる。二人はプリキュアみたいなものです。二人で一つ的な。
顔には凹凸があるので横から光が来たら影ができて当然です。
影ができることにとって立体感が増します。
それだけでも綺麗ですが、今回の場合はそれ以外の影があります。
それは被写体右腕から、ドレスにかかる木漏れ日です。
とても綺麗ですよね、光が軽やかに踊っています。
窓の外には木があり、葉っぱがある。光が塞がれてそこには影ができる。
それを被写体に当てることにより、明るい部分と暗い部分、陰影差ができて綺麗な写真になるのです。
光と陰の使い方は青山店とか名古屋店が上手ですのでそちらも見るといいかもしれません。
光を見る目を持つと、自然光だけなくリファを使った多灯ライティングができるのです。
毎日、天気がいいわけではありません。
曇りだったり、雨だったり、暗い中で撮影ができるというのはそういった理由になるのです。
光は影であって、影は光である。
光を見て影を見る。
そうすると新しい視界が開けるかもしれませんよ。
ここまでがメインの光と影の話でしたがここからは蛇足と言いますか今回の写真を光以外のポイントを解説したいと思います。
おまけ程度と考えてください。
この子は最初から上手でした。
和装の撮影から、こちらからのお願いを楽しみながらこなす姿に驚きつつ、笑い合いつつ撮影してました。
話に聞いたらバレエをやってるらしく、そのポージングのうまさ、一挙手一投足の美しさに納得しました。
個人的にポージングが上手い子がくると、高揚感と共に、緊張感が押し寄せて来ます。
その理由は、僕の指示を完璧にこなしてくれる。
逆にいえば僕の指示のレベルが低いとそのレベルで作られるということです。
脳をフル回転させ構成要素を作って行きます。
ポージングはラインを作ることを意識しました。
浅く腰掛けてもらい、胸の前で花を握ってもらう。この時花がこちら側を向くように。
腕も脇を開いて、顔は体が向いてる逆の方向に向いてもらいました。
本当に上手。
ポージングはOK
次は光ですね。
先ほどの説明で光と影を作りましたね。
ではどう撮るか、このまま顔に露出を合わせると木漏れ日が当たっている腕や顔の輪郭が白飛びします。
そうするとクオリティが下がってしまいます。どう防ぐか。
今回行った対策は前ボケをかますこと。しかも透過する前ボケ。
そうすることによって写真左側から右側にかけて明暗のグラデーションを作れます。
グラデーションなのでかかる位置も重要です。
できるだけグラデーションが暗い部分に木漏れ日がきている部分を当ててあげる。そうすることにより、腕と背景の境界線が飛ぶことなくむしろ光が強調されて見えるということなのです。
ですから右目の部分は強い光が来てなく、影がほぼ安定していたので顔の半分まで前ボケはかけて強調された光に負けないよう目を印象強くさせました。
バランスですね。
カメラの機材の中で「ハーフNDフィルター」というものがあります。
それもハードタイプとソフトタイプの2種類。
ハードタイプの方は、半分を境にNDフィルターとノーマルフィルターで別れている物で、ソフトタイプは端はNDフィルターで徐々にノーマルフィルターになるよう作られているものです。
詳しくはググってください。
で、NDフィルターというのは、サングラスのレンズを想像していただければ良いと思います。
レンズを透過する黒色にすることによって光をある程度遮れます
今回はグラデーションを作りたく「ハーフNDフィルター ソフトタイプ」を物で代用したという事になります。
撮影中それを装着する時間はないので、こういった透過する物を使用してグラデーションを作るのです。
透過した前ボケを使用した理由は上記だけではなく、被写体左側、インテリアの線を見せたかったからです。
そこに線が見えることによって、インテリアの中で撮影しているという世界観を崩さず写真に残すことができます。
この辺は、透過させたいモノの厚さによってきまりますので塩梅が大事です。
あとは、小物。
後ろに淡い色の本を置き遠近感を作ります。
ここで色の強いものですと一気に統一感がなくなるのでNGです。
もともと、掲載不可のところ今回だけ、掲載許可をいただきました。
許可していただき本当にありがとうございます。
僕はカメラマンです。
写真を生業にしています
そこには、それだけ責任があるという事。
常に責任を背負いシャッターを切っています。
時には、苦しい時もあるのが現実です。綺麗事では行きません。
しかし、楽しさのが大きい。
お客様の笑顔が見たい。
人生の写真館のライフスタジオ。
その名に恥じぬ写真をこれからも撮っていきます。
photo by Nihei
coordinate by Iku
written by Nihei
Mito
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