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越谷店
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日常を、印象的に。

投稿日:2023/5/31     更新日:2023/5/31

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Coordinator by Manami Saito

Photo by Takashi Umino

 


 

『日常を切り取る』ということは、今の時代はそれ自体が日常的である。

カメラ付き携帯電話が最初に発売されたのは、1999年。

それから24年が経った今のスマートフォンのカメラなら、誰でも綺麗に撮影ができる。

写真だけでなく動画もだ。

 

これは余談だが、私は写真を撮る仕事をしていて、自分の一眼レフも持ってはいるが、

ここ何年かカメラを持って出かけることが減ってしまった。

持ち運ぶ際に、重さもスペースも準備も必要なカメラを1日持って歩くのは、自分にとっては結構タフなこと。

質を突き詰めると、当然スマホは一眼レフには敵わないのだが、

それだけ簡単に、いつも持ち歩いている物を使って、ある程度のクオリティでいつでも撮影ができる方に軍配が上がることが多いのだ。

 

『日常を切り取る』ことは日常的になってきたが、

『日常を印象的に切り取る』ことには、技術が必要である。

先ほど「質」「技術」という言葉が出たが、ここが私たちの腕の見せ所だ。

 

写真を印象的に撮影するには、カメラマンそれぞれが色んな技術を使っている。

様々な光を利用する、レンズを使い分ける、前ボケを入れるなど、目に見える技術もあれば、

カメラマンの視野、思考などの「何をどう切り取るか」と考える、目に見えない技術もある。

これらの技術を各々が仕入れ、引き出しから出していく連続である。

 

その連続の中で、生まれた写真。

1歳の撮影は、常にその子の機嫌とにらめっこ。

初めての場所に慎重になっている我が子を見て笑うパパとママ。

最初は笑顔を見せなかったけど、泣きもせず、嫌がったりもしない。

そんなこの子が出す、穏やかさも感じる雰囲気に合う光として、逆光を選んだ。

この子が無表情であっても日常的になり過ぎず、印象的に撮ることができるかもしれないと考えたから。

望遠レンズを使い、1歳らしいぷっくりとした横顔を残したいと思った時、パパとママがお茶を飲ませてあげていた。

ただの横顔ではなく、チューブを咥えて飲んでいることで更に口元に可愛らしさが加わっている。

そこにフォーカスをしたかったので、画角が中途半端にならないようクローズアップとして「寄りきる」ことを意識。

ポイントは口元やほっぺただけでなく、ご両親への信頼からか力が抜けている手元、パパとママを見つめる目線、アイキャッチが入った目。

大きくなって、「この水筒使ってたね」ということも考えるのかな。

 

自分にとっても印象的な写真になったのは間違いないが、

この子とご家族にとっても、日常を大切な瞬間として思い返せるものであればと願っています。

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