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あなたにこの一枚を
投稿日:2017/4/2
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ライフスタジオで働き始めてから、常に私が気にしてきたことがあります。
それは表情です。
相手の表情に注目し、相手の自然な表情を捉えることに神経を注いできました。
しかし、キッズとなってくるとなかなかその子らしい、自然な表情を引き出すことができず、難しさを感じていました。
そんな中出会った彼女は控えめな9歳の女の子。
6歳離れた弟の撮影後、彼女のソロの撮影が始まりました。
写真を撮られるのは慣れていなく、最初は緊張気味な表情でした。
会話をしながら、彼女の優しい微笑みや、弟想いなところ、ママと仲がとてもいいことを
知っていくことができました。
彼女が少しの緊張はありながらも、心がほぐれてきていることを確認して、
前から目をつけていたとっておきの場所に彼女を誘導します。
朝、店舗の庭に差し込む光はとても綺麗です。
この時間、ここに降り注ぐ光がこの子の美しさを強調してくれると信じていました。
被っていたニット帽をとってもらい、彼女の豊かな髪をかきあげてもらいました。
春の朝のさわやかな風が彼女の髪をなでます。
無造作に散らばった髪に光が当たり、落ち着いた雰囲気の彼女を、
より魅力的に見せてくれています。
腕に顔をのせてもらい、ママと弟君を見るように指示しました。
そして、彼女にこちらを向くようにお願いしました。
なんと言葉をかけたかは覚えていないのですが、
彼女は必ず微笑んでくれるという確信がありました。
その瞬間を捉えたのがこの写真です。
心が通じる瞬間をとらえること。
それが私たちの写真なのではないかと思いました。
当たり前のことですが、そのためには相手を知り、受け止めるということが必要です。
ただこちらの願うところに立ち、願うように笑うことを求めるのは、
相手を知るきっかけをこちらから遮断するようなものなのかもしれません。
お互いに与え、与えられる撮影。
それを目指していきたいと思いました。
そのためには、こちらからの意思をはっきり示していく必要があります。
自分には苦手なところですが、自分の考えを彼女に伝えたという思いがありました。
彼女を魅力をここに残したい。そのために自分はこうする。
そんな私の心を見透かしてか、彼女はふっと微笑んでくれました。
恥ずかしそうに、でも少し嬉しそうに。
撮影後に、どの写真が一番気に入った?
という質問には恥ずかしがって応えてくれなかったあなたに
私はどうしても言いたくて、伝えました。
この写真が私の一番だと。
やっぱり恥ずかしそうにする姿がまた可愛らしいと思ったのでした。
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