「君の家族は大丈夫なの？」

留学先で韓国人から突然された質問の意味が理解できなかった。

信じられない、ただそれだけだった。

他の留学生たちと寄宿舎のロビーのテレビの前に釘付けになる。

繋がらない国際電話。

頭に浮かぶ懐かしい母国の風景、懐かしい人たち。

永遠に繋がらなかったら・・・という不安が駆け巡る。

長い長い夜だった。





あの日以来、初めて母国で迎える3月11日。

3年という月日は私をどのくらい変化させただろうか。

変わるというのは今を生きる者たちの特権だ。

過去は変わることはない。

その日に戻ることはできない。

変えることはできない。

だからこそ、今を生きる。

過去が今に繋がる。

そして、今が未来に繋がる。

空に向かって捧げる祈り。

決して失われることはないはずだ。

繋がってきた全てのものの価値は。

だからこそ、今を生きる私は

繋がりゆく全てのものに責任を持つ。

私の命もまた何かに繋がってゆくから。