PhotogenicChiba Forest

アンデルセン

2018/9/1

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life studio chiba forest

photo by hye

write by hye

 

 

アンデルセン

フォレストの写真には童話のような物語がある。

 

2018年夏、千葉フォレストは強烈でした。人の体温よりさらに高い最高気温を記録し、野外での撮影は汗が目に入って視野を遮ったりもしました。

 

土地の周辺を森で囲まれていて、青く澄んだ空が低く漂い青い芝が広く広がっているのが千葉フォレストの風景です。その中に外国のような道路があり様々な姿の建物が集まっています。空間の中央には、大きな木が中心にそびえ立ちライフスタジオの名がポスターのように白い壁に描かれています。

 

自然の光と風、木と緑を被写体と共に入れようとあちこちで写真を撮ってみます。

 

ある日、名前も童話のような“イオリ”という子とフォレストで会いました。親御さんたちと挨拶をする前にドアの外で会ったその子はカメラで写真を撮っていました。

 

「こんにちは、あなたは誰なの?」

「イオリです。」

「何をしていたの?」

「写真を撮っていました。」

「ここはどんな感じがする?」

「アンデルセン童話のようです。」

 

フォレストを訪ねてくる子どもたちにとって、ここは面白い遊園地です。入口は硬い建物の玄関ではなく、森の小道を通過して最初に目に映るものが風車です。青い芝を見れば一歳の赤ちゃんも10歳の子も走り回ります。保護色を身にまとった昆虫を追ったり手で掴んだりもします。真夏で額に汗が流れても疲れを知りません。生まれて初めて開いた本で見たものと同じ森があって、自然と吸い込む空気と風があります。どこかから飛び出しそうなウサギや鳥を想像すれば、写真を撮るスタジオというよりは遊園地に来て写真を撮るような考えを先にすることになります。そのような子どもたちが自然と融合して自然に感じることができる、見る人々が安らかに感じられる写真を撮らねばならないと考えます。

 

メインスタジオである風車の隣の閑静な森の道は童話の中のように美しいところです。時折キジが訪ねてきて窓をつつくほど中が見えるたくさんの窓があります。鳥も彼らがいる世界と違う姿を見せる、人間が作った美しい空間が気になるみたいです。カバンを持った“イオリ”は鳥とは反対に中から外に出てみます。森に入って高い木を眺めたり、窓から中の様子をのぞき込んでみたりもします。童話のように不思議そうに楽しむ子の姿を写真に色々なカットで納めてみます。

 

75カットの写真にはストーリーテリングが必要であり、それはカメラマンの役割です。ストーリーテリングは文学や映画、教育学などで活用される方法であり“話す”という本来の意味を考えてみればその中で私たちに必要な要素は“疎通”です。そして疎通の結果で発現するものが写真でなければなりません。背景の紙を下ろしてかたい椅子に正面向きで座って記念写真を撮る方式が大きく崩れて自然さを追求したのもすでに昔のことです。自然な姿の中に“日常”という単語が挿入され、日常だけどしっかりと取りそろったインテリアと素敵にコーディネートをしてモデルらしい形状を写真に収めることが現在の傾向です。最高難易度を言及するとすれば、人為的に作ったものがそうではないように自然に見える写真を皆が追求しているのです。美しさを眺める普遍的な視線が、そのように移り変わってきたものといえるでしょう。

 

美しい写真を作るために研究しなければならないことがストーリーテリングです。ストーリーテリングの方法は話者(teller)が物語をうまく伝えて聴者(listener)が想像できるようにする相互的な意思疎通です。制限されている撮影システムで疎通を円滑にできるのは主体であるカメラマンです。物語の素材を持って先に手を差し出すためには、自分だけのレパートリーが必要です。カメラマンと被写体の関係として、望むポーズを要求するのではなく物語を聴く被写体が想像できる余裕と自由を保障してこそ疎通は成り立ちます。

 

美しい人々と疎通して作る写真の物語、フォレストが作り出します。

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