成人式のお撮影。
振袖に日本髪を結って来てくれて本当に素敵な装いで来店してくださった。

しっとりと、でも重厚感もほしかったので少し濃いめの影と、顔の立体を意識した光と影のバランスを探し撮影した。
白い花であえて半分顔を隠してもらい、目は伏せ目がちに。
この時親子のツーショットも数枚撮影した。
写真を撮る時の成人の我が子の隣に立った時のママさんのなんとも言えない笑顔が忘れられない。

私のときの成人式はどうだっただろう。

貧乏学生だったので着付けの料金が一回で済むように前撮りはせず、成人式当日に撮った覚えがある。
でも当日髪の毛も思っていたイメージと違っていたり、式が終わった後友達と話す時間もなくバタバタで撮影に向ったので今振り返るとやっぱり前撮りしといたほうが良かったなーと思う。
おじいちゃんが入ったきちんと撮った家族写真はそれが最後。
最後というより最初で最後？だったように思う。
母が成人式のときに着た、大きな蝶々が袖に入っている振袖を着た。
ソロの写真が一枚と家族の写真一枚が見開きのお見合い写真みたいなアルバムに入って保存されている。
1日バタバタでうまくいかないこともあったけど、私にとって大事な思い出の写真。

私が子供の頃はライフスタジオのような写真館はなく、ごくごく一般的な白やグレーの背景に一枚パシャっと撮る写真館がほとんどだった。
昔の写真館も個人的にはとても好きだ。
私がいる町の写真屋さんはご夫婦がやっている小さな写真館だ。
近隣の小学校とおそらく提携しており、小学校の頃の遠足やらについてきてくれ、受験の時は証明写真を撮ってもらう。
成人式のときの写真もそこ。
地域に根付いている写真館だ。
子供の時から成長を撮ってもらっているので、おじちゃんもおばちゃんも地域の子供達の顔を覚えてくれている。

私が中古のフィルムの一眼カメラを最初に買ったとき、ここの写真館に持っていき使い方を教わり設定までしてもらった。
そのときのお2人の顔がなんだか嬉しそうだったのを今でも覚えている。
写真の原点を思い出す時、必ず思い出す写真館。
初めて一眼のカメラを手にしたときのワクワクした思い出に写真館がある。

カメラマンになったよー

を報告しに行きたいが、なかなかタイミングがない。
フィルムの現像もしてくれる写真館なので、昔は現像しに行くとちょっと話したり、一緒に写真を見てくれたり…
今はフィルムを撮ることがなくなってしまったのと、成人式もずいぶん昔に終わってしまい撮られることもないのでその写真館に行く機会もなくなってしまった。

ライフスタジオのようなスタイルの写真館が増えてきて写真は昔より、もっと自由になった。

その自由の中でなにを感じ、なにを表現し、なにを作っていくのか。

85枚の写真の中に込めるもの。
カメラマンによってそれはきっとさまざまで、かけがえのないものに違いない。
一人一人と向き合い、その時その場面でしか残せないもの、思い出や想い、目に見えないものまでぎゅっと詰め込みたい。

それを表現していくために、技術を磨くことを続けていく。
 

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LIFE studio Chiba Forest 
Coodi：Ichikawa
Photo：Ishii
Write：Ishii