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青山店
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写真分析~自然の為の脇役。~

投稿日:2018/8/10

2072 3

 

YOKOHAMA AOBA

Photo:gomei

codi:Natsuko Takagawa

 

 

はい、こんにちは。

横浜青葉店の五明です。

今回は自分の撮った写真に関して記していくブログになります。

 

まず撮影に関して少しだけお話を。

撮影とは一般的にカメラで撮ることを記します。例えば雑誌の表紙を撮ることを撮影と言いますし、映画やドラマを撮ることも撮影と言います。

ホームビデオも撮影ですし、携帯電話で友達と集合写真を撮ることも撮影です。

撮影とは名の通り、影を撮る事ですね。

影はどのように出来るかというと、単純に光が当たると影が出ます。

ですから、カメラマンはしきりに光の話をするのです。

 

皆さんもご自宅でお子様を撮影する際に、理由はわからないけれどもうまく撮れないなんてことがあるのではないでしょうか。

逆光だと、何となく暗い写真に…なんてように。

でもよく見てみると、暗くなっている部分が影で、頭~体の輪郭を照らしているのがハイライトとなっていますので、逆光ということに変わりはありません。

 

 

順光(被写体に真正面から)…被写体に影がなくなります。

側光(被写体の横から)…顔半分に影が出ます。

逆光(被写体の後ろから)…被写体が影になります。

 

 

光があれば、同じように影が出ますね。

その影によって、写真の印象は大きく変わります。

中でも私は測光(サイド光)が個人的には好みです。顔に影が出ますので、力強い印象を与えることが出来ますので、好んで使います。

そして強い光を当てて、影も濃く出すことが私は基本的に好きなのです。

何故なら、基本的に「人は強い生き物だ」と常日頃いろんな話やテレビを見ながら感じるからなのです。

ディスカバリーチャンネルで、紀元前の話を解説しているときも、雪山に遭難した人の話もド・ドキュメントの話も、共通して思うのは「人は強い」ということです。

 

 

さて人は強いと言いながら、私自身も弱き存在として認識しているのが子供です。

基本的に小とつくものには、弱いイメージを抱いているようです。

例えば、子犬や子猫、小物も壊れやすそうなイメージ、小屋も何だか丈夫ではなさそう。そんなイメージを抱いています。

話を戻すと、人は強いと言いながら弱いとも考えているので、これは矛盾状態にあることになります。もう少し細かく見てみると、段階的な話になります。赤子は誰が見ても弱い存在です。親の無償の愛の上で成長が成り立ちますので、自立することは不可能です。動物界で考えても、馬は生後すぐに立ち上がりますし、コアラも自分から袋に入っていきます。人間は泣くことが唯一の表現方法になりますね。

つまりは成長と共に強さも増してくるというでしょうか、自我が芽生え、手先が器用になり、言葉を操るようになると、できないことは一気に少なくなってきます。

しかし明確に何歳から強さに感じるのかを明確にすることはできません、人によって異なるからです。

 

 

ですので稀に思うのです。

光と影の力をかりて、力強さを表現、演出してみようと。

勿論人によって異なるという点を踏まえながら、私なりのその人に合うやり方を考えながらです。

 

さて写真の話にやっと入りますが、前途のとおり強いサイド光は個人的な好みにすぎませんので、この女の子の話を記していきます。

 

今回はハーフ成人式にてご来店いただきました10歳の女の子です。

10歳というと小学生も高学年に入り、初対面の人に敬語で話、物事の分別があり、低年齢の子どもに比べると、手のかからない年頃です。

その反面、低年齢の子どもに比べ、素の状態での撮影をするには少々技術がいるのでもあります。

何故なら気をつかえるからです。

私も初めての方が多い飲み会なんて言ったら、気を遣いすぎて、早退するほどです。

 

 

自然な写真とクールな写真

 

 

彼女に好きな写真を問うと「格好つけすぎない自然な写真が好き」とのことでした。

コーディネーターの夏子から伺いました。

もしかしたらハットを被るのも嫌かもと。

さてさてここからが、私の仕事の見せどころです。

緊張+気を遣う+おとなしい女の子+写真=○○○

をもって、○○○を自然な写真に近づけていかなければなりません。

自然にを感じる写真はこれまでの写真分析に、私なりに何度も記してきました。

そしてこの写真は決して自然な要素を多く含んでいる写真ではなく、一般的に言うと不自然という印象を持たれるのではないかと思います。

いつもと異なる、格好いい等々、日常的な要素ではないことはどちらかというと不自然という類にカテゴライズされるものだと考えます。

では自然自然と言いながらこの写真を入れる理由と、この写真をHPに挙げる理由は何か。

【相対的に自然な写真をより強く感じて貰うためのひとつの仕掛け】であることが側面の一つに挙げられます。

自然と不自然は相互依存関係です。自然の概念がなければ不自然の概念は形成されることはありませんし、逆もしかりです。

持ちつ持たれつの関係なのです。

私の用いる方法が決して正解なのではありませんが、75cutの写真の中の流れを考えながら、より自然に感じる写真の為に、より不自然を少し入れていこう。何だか矛盾しているような文章になってしまいましたが、これがこの写真を撮る始まりとなりました。

つまり名バイブレーヤーとなってくれることを期待いたしまして…

 

さて、これまでの話はお客様と会ってみて、話を聞いて、コーディネーターから話を聞いて、考えていきましたので、事前にこれを撮影したい!みたいな確固たるエゴはありませんでしたので、場当たり的に作って行くことになりました。

定められた条件と、その場に落ちている情報を搔き集めながら撮影の条件を形成していくことが、必要でした。

この写真は全3シーンある中の2シーン目に撮影を行いました。撮影中に何となく2シーン目に入れるべきだと確信を持つ理由は以下の通りです。

1シーン目は家族写真+姉弟写真を撮影し、体を動かしながら元気に撮影したこと。

3シーン目はドレス写真が決まっていた為、ふんわりとした逆光写真を多めに撮影しようと考えたこと。

ですから、流れを追っても2シーン目に異色の性質を持つ写真が入ることで、1シーン目、3シーン目が対比の効果を生み出し、より75cutのボリュームを感じることが出来るはずだと考えます。あくまでは「はずだ」止まりで。

 

自然の反対は不自然。

自然の印象は屈託のない笑顔としたら、クールな真顔が反対でしょうか。

では2シーン目の話に入ります。

タッタッターと2Fへかけていくと、1シーン目とは打って変わって、黒いドレスを身にまとった少女が少し恥ずかしそうに立っていました。

普段することのないイヤリングをつけ、自分のイメージにはなかった姿なのか、少々恥ずかし気な表情をしていました。

さあ、ここからが場当たり的撮影。使えるものはすべて使うべきだと考えます。ですので情報収集集も行ってはいけないですね。

 

写真は情報収集

 

 

情報1:クールな印象の衣装に対し、笑みを浮かべるということ本人が思っているほど悪くはない印象

 

情報2:親御様が遠目から嬉しそうにスマホを向けている状況、意外な一面に素直な反応

 

情報3:階段の窓を開けると強い直光が差し込む。強い影を出すには十分な光量だ。

 

情報4:背景はより明るく、白飛びしてしまう。

 

位の情報がパッと入ってきます。

ここで私は思います。

ただ単にサイド光で影だけ強くしても、思っているほど印象強い写真にならなそうだな~。

なんかつまらないな~。

とぼやくように周りを一周見渡します。

そうだ!条件をプラスして、印象強い写真を作ろうではないか。

そう考えてもう一度周りを見回すと…

 

情報6:それまで彼女がはおっていた、レース調の服。

これを陰にして演出を行う。

これにて撮るまでの準備は整いました。

 

 

クールに撮るカメラの設定

 

 

一つ彼女の演出に対して【影】が主役となります。

この要素がとても強く印象をつけますので、被写体以外の要素は入れずに撮ることにしました。

これらから設定はこのようにします。

F/2.8

S/320

ISO/100

 

後は撮影の微調整がメインになります。

どうしたら、よりクールに、その角度からがより、より、より、より…

 

力強さを表すために、被写体に対して真っ直ぐより少し下目からカメラを構える。

コーディネーターの夏子にレース調の服を持ってもらい、光の方向に立ってもらう。

影が薄い。

もっと近くに!もっと近く!

様子を見ながら段々と影が濃くなっていきます。

 

ここら辺から彼女も感じたのでしょう。

今どのような写真が撮られようとしているのか。

先程までの撮影となにが違うのか。

行動を通して何となくの意思疎通が取れましたら、細かい説明はありません。

カメラを見る。

手を見る。

うつむいてみる。

何パターンか撮った後に、私のはるか後方に居るママの方を見てと言います。

その時彼女はしゃくるように、妖艶に顎を上げながら見てくれます。

 

やっぱ伝わっていたのね~。と心でつぶやきます。

そしてパシャリ。

 

 

自然な写真館で撮られた自然な写真と程遠い写真ではありますが、自然を広く見て見た時に、どのように感じるかを考えてみました。

陽と陰、光と影、正と悪、表と裏、アンパンマンとバイキンマン。

いつも対極した存在が必ずあります。

実はこんな一枚も、隠れた名脇役なのかもしれません。

そう考えてみると、ライフスタジオの写真にも違った面白さがあるかもしれません。

 

写真を見た皆さんは、これはこれでドキッとしたと仰っていました。

 

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