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欽ちゃんの言う空気とは、何なのか私はまだ知らない。
投稿日:2017/6/30
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YOKOHAMA AOBA
Photo:gomei
Code:Misaki
Photo:gomei
Code:Misaki
なぜ我々は子供たちと遊びながら撮影をするのでしょうか。
勿論のこと、原則として遊ぶことを必ず行わなくてはならないという事はありません。
しかし遊ぶことを私たちは選択をします。
なぜなのか、改めて考えてみます。
ライフスタジオは写真館を3つの概念で考えます。
・美しさ
・表現の楽しさ
・思い出の為の記録
ライフスタジオのHPから引用いたします。
子供達と一緒になってお互いの存在を確認するその瞬間、愛する人の吐息を聞きながら感じる平穏という美しさ。
それが写真なのです。
写真館はその瞬間の感情ほどではなくとも可能な限りの人為的な条件を作り出し、その中で最大限に自然な姿を引き出していかなければなりません。
そして同時に楽しい時間として記録されていかなければならない。
私たちの写真とは人生の目次を作っているのではないかと考えます。
愛する人の吐息を聞きながら感じる平穏という美しさとはどのように感じることが出来るのか考えます。
写真館とはその程度ではない物の、可能な限り人為的な条件をつくりだすことだと挙げています。
つまりはまっさらな自然な状態での撮影空間の提供はむつかしくとも、その実感を感じられるであろう環境を作る事だと挙げています。
それを人為的に、つまりは人の力を持ってという事になります。
特に複数の被写体が写る家族写真や兄弟姉妹写真では、仲の良さをより良く演出する
為にギュッとくっついてもらったり、撮影の為に形式的になりやすくなってしまう時もあります。
人為的に被写体が日常に戻れる環境を提供する事が、ライフスタジオが自然という評価をいただいているのではないでしょうか。
例えば写真を早く撮る為という形式が目的化された場合、効率化に向ける形式に対して被写体をあてはめ、自然とは真反対の方向へ進んで写真が残っていってしまうのではないでしょうか。
しかし全くもって撮影者の意図が反映されない本当の意味での自由で撮影を行ってもいけません。
私達は写真を通して、顧客との関係形成をしながら、顧客の思い出の一部に参加したいと願っています。
つまりは、撮影者の意図と結果が結合されている写真。
そして被写体の情報を利用し、人為的な自然な空間の中で撮られる写真が良い写真なのではないでしょうか。
普段無意識的に、カメラに対して被写体を横一列に並べて撮影を行うことがあります。
横一列に並べるのにはカメラ技術的な意図があり、複数の被写体の表情にしっかりとピントが合うようにするためだったりします。
ライトの光量が限られている為、絞ることがそんなにできませんのでその様な位置関係で撮影をします。
ここでのドツボは、被写界深度から被写体がずれない事を目的に撮影が行なわれてゆくと、被写体に対して動きの制限をする事になります。
すると不自由さが付加され、-1、-1とだんだんと自然な環境と離れていってしまうのではないでしょうか。
この写真は着物シーンの後の2シーン目での撮影でした。
それまでに兄妹の中の良さや関係のある姿については情報をいくらでも得られる時間でしたので、その目に見えない関係を撮るべきだと感じたのです。
撮影場所は2F奥のソファーにて。
大体はソファーに対して真正面から撮影を行いますが、今回は斜め横から遠くから撮影をする事にしました。
この一枚に関しては兄妹の関係の撮影をしたいと考えて、物理的距離が近ければ近いほどに私という存在が写真に写り、撮りたいものとかけ離れてゆく可能性を危惧したからです。
だからこそ望遠レンズを装着して、なるべく存在が入らぬように構えます。
しかし意図は含める努力をするはカメラマン冥利に尽きるのではないかと考えます。
昔欽ちゃんがコントのリハーサルをしていた時に、終わりのカメラワークに対してカメラマンと喧嘩をしている話を聞きました。
カメラマンは主役である欽ちゃんを撮ろうとしていたが、それを知った欽ちゃんが激怒してカメラマンにココらへんを撮ってよ!と伝えました。
それは演者と演者の間の何もない空間でした。
その状況の空気感こそが、その写真での意味合いに大きく関与します。
私もこの写真は被写体がメインではあるが、主役はどこかほかにありました。
それは空気です。
その為トリミングはぎりぎりにして、はっちゃける笑顔と芳醇な空間を残すことでその空気感の撮影が出来るのではと考えます。
何度かシャッターを切ります。
遊ぶ子供達は予想以上に大きく体をはねさせながら笑います。
キャハハという可愛い声とは裏腹に私は真剣そのもので声すら発しません。
何度か動きに合わせてシャッターを切りましたが、深追いはしません。
何故なら主役は空気なのですから、その瞬間に幻の様に現れる一瞬なのですから。
さてさて、意図が含まれたか、意味を感じるか、駄作なのかは見ている全ての方が決めてくださればと思います。
写真はコミュニケーションですから。
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