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青山店
scrollable

ファインダーに。

投稿日:2017/5/31

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YOKOHAMA AOBA
Photo:gomei
codi:Chappy

「GWにどこかでかけたの?」
「草間彌生展」
「草間彌生展!?」
こんな会話をしたのをとても鮮明に覚えています。
 
GW終盤に10歳になるのでハーフ成人式っぽく撮りたいとのことで来店いただきました。
やはりもう10歳ですので、大人に対する受け答えもしっかりと学習をしており、とてもお利口な小学生という印象でした。
初めまして。
この一言から始まる私たちの直接的な関係が、もう10分後には撮影として色濃く関わらなくてはなりません。
彼女にとって写真撮影とは日常的に行う事ではありませんので、はたまた異性のカメラマンが撮るとなると緊張感が一段と上がります。
何となく恥ずかしがりながらお互いを探るように撮影がスタートします。
日常的な会話をしながらの撮影になりましたが、多くの質問をして行く中で凶悪な動物が好きみたいな会話をしました。
そこからはしばらく動物の話で、ピューマがなんだとか虎がなんだとか攻撃的な動物の話からお互い探りをいれ、少しづつ知ってゆく過程に入ります。
そのような撮影だからこそ、もっと近づこうとしたのかいつもは見向きもしないところで撮影を試みます。
外から窓越しに室内を撮ったり、駐車場に出て壁に映る零れ日の影を使用して撮影をしたりと、何だかロケーション撮影のような歩きながら探して撮ることをしました。
一緒にここにしてみようか?どう?なんて提案をしながら。
その流れで草間彌生展の話をした記憶があります。
 
何だか彼女の奥深い魅力を感じ始めたのは2シーン目の撮影でした。
どことなく寡黙で会って大人っぽい雰囲気を発する彼女でしたが、目の色が変わった瞬間がありました。
青葉店の階段を上りきったところの窓を開けて撮影をしてみよう、髪の毛を乱れさせてみようと単なる思い付きから始まりました。
予想以上に風が強く吹いており、毛先が乱れて顔にかかりますが、彼女は微動だにせず、その目は「さあ、撮って」と言わんばかりの強い意志を持った目をしていました。
夢中でシャッタースピードを上げ、何カットか撮り、よし!と感じる自分いました。
髪の乱れから対極的な彼女の強さ、それが表情、そして少し空いた口元、ポーズは要りません。
 
この写真についてカメラマンが撮るのか被写体に撮らされるのかは中々難しい疑問になります。
このような自問自答はカメラマンは必ずするものだと考えますが、今回のケースに関しては第一投は彼女から始まりました。
その情報を受動的にキャッチし、自身の出来る限りの意図や技術を主体的に設定し撮影を行います。
良い写真はどちらかが始まりかと言う事ではなく、得た情報をいかに効果的に使用し、一枚の写真と言う形に具現化できているかが基準だと考えます。
 
しかしそのように考えても、彼女はそこにいればよかったのだと今なら思います。
指のポーズで女性らしさを演出するように、彼女の髪の毛の透け感、乱れ、それらが総合的にその役割を担います。
まるで春風を感じるように、新たな気分と季節が変わる力強さを感じさせる。
被写体から出される光に吸い込まれてゆくようにシャッターを切る事。
数年後彼女はどのような女性になっているでしょうか。
李社長の言葉をかりると「ファインダーに入ってきてくれてありがとう。」
 
 

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