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青山店
とは何であるか。
投稿日:2017/4/29
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yokohamaaoba
photo:gomei
codi:Sasaki
人は常識の中で疑問を抱かず生きている。
当たり前のように、何事もないように。
心を自由にするためには、固定概念お排除しなくてはならない。
私も例外なく固定概念を持ちながら生活をしています。
30代のような大人はこのように人に接しなくてはならないなんて思う事は、毎日ひげを剃るときに鏡に映る自分を見ながら何となく言い聞かせている様に感じます。
それは撮影現場でも同様の事が起きている事に文章を書きながら気が付きます。
撮影前にカメラを握る際に、準備という名の意図のない設定調整をしている自分がいました。
普段は目が悪いもののファインダーをのぞくときに眼鏡の干渉がどことなく嫌な感覚を持たせるので、裸眼に対して志度調節を行います。
これにより遠くの些細なことには気づかなくなります。
ピクチャースタイルをいつも通りの設定にし、ワンショット、AFカーソルは9か所、カード初期化を流れるように設定します。
それが自分を落ち着ける為の準備だと認識をしながらも、これからの撮影を意図しない固定概念である設定であることにいまさらながら気が付きます。
この撮影は見たとおりの5歳男の子の七五三です。
青葉店には過去にも来店して頂いておりますが、私は初対面であり、はじめましての挨拶から直接的な関係が始まります。
恥ずかしがり屋なのか、最初は全く私に挨拶を返してもくれなかったのですが、お父さんと遊ぶ姿はまさに元気な男の子であり、パンチキックが一つのコミュニケーションになっているわんぱく感を存分なくかもちだしていました。
七五三は伝統的なもので、氏神へ収穫の感謝と子供の成長を感謝し加護祈るようになったという事が起源の一説として上げられています。
そのため凛としている姿をするものであり、それは型として存在します。
勿論そ型はとても重要であり、必ず残すべき物ですが、そのように撮らなければならないという固定概念の内に撮影が終わってゆく事も少なくありません。
撮影が始まりいわゆる型の写真は撮り終え、現場に着物の撮影が終盤に近付いている雰囲気が流れます。
男の子の様子をうかがうと、今すぐにでも暴れ遊びたそうな雰囲気が目の奥から訴えかけられます。
「まだ?まだ遊ばないの?」
無言の訴えをされ、一つ自分に質問をしてみます。
「一緒に楽しめているか?」
自問に瞬時に答えられません。
何故なら彼の特性を私の固定概念が潰しているからです。
ゆっくり考えながら手元で設定を変更させます。
ワンショットからAIサーボへ、シャッタースピードを上げ、絞りの数値も上げます、それに伴いISO感度も上げる。
コーディネーターとして入ってくれいた佐々木が用意をしてくれた帽子と眼鏡とストールもそれを行う大きな要因になったことは間違いありません。
「よし、走ろう。」
まだだよまだだよと高めの声で男の子をじらしながら、AFフォーカスを合わせ男の子の真正面いカメラを構えます。
カメラ越しの私の顔は真剣そのもので隠れていなかったら怖い表情だったと思います。
よーいどん。
声をかけた瞬間咳をきったように、全力で私の方向に走ってきます。
シャッターを切る。
「だめだ、撮れない」
「遅ーい!もう一度!」
人の生の様に話しながらもう一度お願いします。
間髪入れずに走ってくる。
息を止め、瞬きを抑え、シャッターを切ります。
音が止まり、神経が集中されます。
時間にすればものの数秒でシャッターチャンスは消え去ります。
ふと私の横を颯爽と通り過ぎる男の子の表情を見ると、口元がこれでもかと歯を見せて笑っている表情が一瞬写ります。
「ああ、よかった。」
私はこの写真を改めてみて何を撮っていたのかを考えます。
彼の型にはまらない自由な性格と小さな身体を撮りながら、私自身の心を撮っていたのかもしれない。
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