Staff Blog
青山店
scrollable
それが、君の、タイミング。
投稿日:2017/3/1
1464 4
Yokohama aoba
Photo:Sasaki
Codi: Kuroki
Photo:Sasaki
Codi: Kuroki
まず一言、私は佐々木かおりが撮る写真が好きです。
理由は彼女の撮影する75cutから被写体の心の起伏が手に取るように感じられるからです。
ライフスタジオでは自然な写真という言葉よく耳にしますが、彼女自身が自然体であるように、被写体とも同じような距離感を感じます。
おそらく彼女の中には、これはこうしなくてはならない!というような決まりきった概念は存在せず、映し出されてゆく子供たちの写真も、肩ひじ張っていないリラックスした物が多いのが私の課題でありながら、憧れる点でもあります。
これらを頭の片隅に入れつつこの写真を見て真っ先に思い浮かぶ感想は、やはり自然です。
こういう写真を見るといつも映画製作現場で働いていたことを思い返すのです。
力のある役者が極力自然な演技をし、日常のシーンを撮ります。
しかし自然な日常を撮ることにはもの凄く細かい決まりがあるのです。
例えば、ライティングがこのようにされているから、その場から動いてはならない。
主役にかぶるから首は動かしてならない。
まばたきをしてはならない。
物音を出してはならない。
このボーズでなくてはならない。
部屋の端から端まで、4秒間で歩かなくてはならない。
数えると本当に無数の制約の中で日常的な仕草を出さねばならないのです。
ライフスタジオでも同じような状況にいつでも陥ってしまうのです。
自然を撮影するのに、制約を数多く決めることは矛盾に感じませんか?
写るクオリティーを上げるためには、技術の集約を的確に行う必要があり、そのために偶発性を省かなくてはならないのです。
ではライフスタジオでいう技術とは何のでしょうか。
私はこの写真を見て、2つの技術を感じます。
一つ目【整理の技術】
ライフスタジオの大きな構成要素にインテリアの存在があります。
インテリアで当社をお選び頂く事も少なくなく、写真の写る要素としても、とても重要なのです。
油断をして撮影がなされてゆくと、インテリアが白飛びしていることも少なくなく、写真大多数が白い印象を与える事もしばしば。
被写体をメインにしながらも、望遠レンズを使用して被写体と背景のインテリアの圧縮効果を生み、奥行きを感じさせることから、より被写体への注目度を上げる効果です。
【光】
さわやかな光を測光として利用しています。
また背の低い男の子を光源側に設置することで、背の高い女の子へも光が適度に当たり、人物のラインが綺麗に映し出されています。
これは偶然の産物ではなく、ラインが綺麗に感じるにはいくつか要点があります。
まずは女の子の顔への当たり方は、光源をまっすぐ向いても出なく、上を向いても出ません。
若干のうつむき加減でないとこのようなラインはこの条件だと出ない物です。
では男の子との立ち位置が反対だったとしたらどうでしょうか、背の高い女の子の背中~後頭部へのあたりは出ますが、男の子は壁に隠れたようなもので、このような写真の印象は到底持つことはできません。
光の印象は写真の印象を決定づける物と言っても過言ではありません。
使用方法はカメラマンが選べます。逆光でも順光でも測光でもTOP光でも一つの光を選択できるのです。
では逆光だった場合の想像をしてみます。被写体奥から芳醇な光が入ってきてボワっとした印象の写真になるでしょう。それも良いですが、肝心の被写体の表情が鮮明には映らないかもしれません。
では順光に設定をすると、この場所では写真の凹凸がなくなる可能性が高いです。
やはりこの場合は測光として使用がベストなのだったのではないでしょうか。
【直感の技術】
写真は人が撮影するものですので、この直感、つまりは主観的要素を省くことはできません。
動物を撮ろうが、人を撮ろうが、風景を撮ろうが、画角設定はカメラマンが行うものですからね。
つまりはその人が良いと思うものに理論が付与され、意図として一枚の写真に表れます。
先ほど記したように、この被写体から出されている雰囲気は多くの制約の中で生まれているものだと被写体が認識しているものではなく、最低限の制約の中での自由な動きから出されているものです。
そのためにあえてポージングはラフに、楽な設定をすることで、はじけるような笑顔とほほ笑む笑顔が発生します。
子供の撮影には偶発性はつきものですが、偶発したと、偶発させるでは意味が全く異なります。
言い換えるのならば予感とでもいうものでしょうか。
想像と、生み出される瞬間的な状況にシャッターを切る事から、やはりこの写真は佐々木かおりにしか残せなかったのではないでしょうか。
それは被写体を動かす、つまりは内面を動かす目には見えない技術の終結なのです。
これらの要素から私はこの写真をライフスタジオらしい自然な写真だと考えます。
きっとこれからも彼女はライフスタジオらしい自然な写真を、たくさん残してくれるのだと思います。
それは被写体とカメラの物理的距離ではなく、目に見えない心の距離を通して。
この記事をシェアする
サイト内投稿の検索
- トップ
- Staff Blog
- トップ
- スタジオ紹介
- 青山店
- スタッフブログ
- 【ユーチューバー】 Kazuma Gomei
- それが、君の、タイミング。