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青山店
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『見えないものを見ようとしてるそんな世の中じゃ…。』

投稿日:2016/9/17

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LIFESTUDIO KOSHIGAYA

photo:gomei

codi:CHO


何度も何度も考えましたが、私は女性を撮ることが好きだ。何故なら私が持っていない要素が多くあるからに違いありません。
感覚的な感情はここ最近、若干理論的になってきたような気がします。写真には必ず撮影者の意図が反映されるもので、今まで撮影してきた女性の写真を回想しながらPCに向かっている今、その中でどのように私が女性を見ているかが赤裸々に見えてきて、まるで羞恥の渦のど真ん中にいるような気分になってきます。
 
この写真を改めて観察しながら私の過去の女性関係を思い返します、これまでお付き合いした女性からの別れの言葉は大体一緒でした、「あなたがみえない
今になって想い返してみると、私も異性である女性の事はよくわかりません、正直言って見えないのです、いや、見たいのだが見えないというのか、見たくないけど見たい、祖pのほうが適切かもしれません、それはまるで実態があるのに見えないような感覚を持つのが女性特有の性質ではないのでしょうか。
 
では見えづらいという点を逆手にとらなくては、女性という普遍の中の個人という特殊性を見ることはなかなかできません。
そのためには見えづらいという条件を作ることで、個人へ近づく方法を私は用いります。
 
その一、フレーム内の線の整理をつけること。
その二、不透明な要素を取り入れアンバランスなバランス状態を作ること。
その三、日常的な会話をすること。
 
その一、フレーム内の線の整理をつけること。
理由は至って簡単です、写真を構成する要素をシンプルにしある種無機質な要素から、有機的な人物との調和を保つためです。
人は基本的に何かを探したり観察したりする際は、視線が極力シンプルにそのものだけを捉えようとする無意識的な作用があります。
例えばカーナビの道案内ではナビの示す道順のみを見ようとするもので、ウォーリーを探せ!では赤と白のボーダー以外の事はあまり覚えていないようなものです。
それは目標を達成するために行う無意識行為でありシンプルにするという点では、この写真も変わらぬ要素を持っています。
被写体の少女が調和された空間の中にいつつ、強烈な存在感を出すためには、線の整理は必須条件であることに間違いありません。
 
その二、不透明な要素を取り入れアンバランスなバランス状態を作ること。
水島新司の球道くんという漫画の1シーンに「アンバランスの中のバランス」というセリフがあります、バランスとは不均衡なものを整えるということではなく、そもそも不均衡なものの比重を認め、考え、均衡を持つことを意味するセリフです。
そもそもという言葉を使いたくはありませんが、そもそも不均衡なものの集合体で成り立っているのではないでしょうか。
この写真ではカーテンを使用したヴェールのような状態が大きな要点です、そしてヴェールの半分を光で飛ばすことで、はっきりとしたインテリアの線との不均衡を作ることです。ですので一つ重要な条件とは、光を意識する写真であることです。
 
その三、日常的な会話をすること。
おそらくその人を知るために一番の近道かもしれません、まず彼女は14歳の多感な時期にいるということ、当日は妹の七五三撮影に同行したので、一人で撮ることは特に予定にはなかったこと。
14歳の年齢から予測すると普段接する大人の男性は、父親、学校の先生、習い事の先生位ではないだろうか。
もちろんのこと会話は敬語で必要最低限の会話以外は話しかけられることはありません。
その人らしいと感じる際に私たちは何を見て感じているのかと考えると、その人特有の癖ではないでしょうか。
そのため、撮影者の意図に無理に近づけるような、右手をこうするや指先はこうする。などの指示は避ける必要があり、この際もテストや部活、はたまたクラスの雰囲気の話しかしていません。
恥じらい、体の動かし方、挙動や表情がその人特有の雰囲気をかもちだします。つまり他の人には他の雰囲気が生まれるわけです。
その瞬間を引き出し、瞬間的にシャッターを切る、これが私がこの写真に入っているということです。
一つだけ特に注意したのが、光と人物の角度です。
ハイキーな中に、ゆったりと浮かび上がる人物の状態を作るには、絞りを開け、階調をしっかりと出すために、ISOを下げること、そして壁に対して少し斜めに寄りかかることで、雰囲気を出すことができます。
 
カメラマンの意図、インテリア、光、被写体、そして心。
一つ一つの独立した存在が四角の中で調和したバランスを保つことができるのが良い写真かもしれません。
 

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