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心ときめく幼少の雨。

投稿日:2014/7/10

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雨よ、もっと降れー!!
と聞こえてきそうな元気さだ。
大人になってからは、嫌な存在になってしまったが、子供の頃には一つのイベントのように長靴と雨合羽を装備して、近所を闊歩したものだ。

私の雨の忘れられない思い出は、1つある。
小学一年生の3学期の帰りだ。
通学路が一緒だった中村君と、転入間もない佐久間君と3人で帰ろうとした時、急な豪雨に襲われた。
よりによって三人とも傘を持っていなかった。
その頃はもちろん携帯電話なんかなく、学校にはテレホンカード専用の公衆電話が設置されているだけだった。
もちろん誰一人とテレホンカードも持っていなく、送迎をお願いすることも出来なかったので、下駄箱で靴を履き替えている時に、真剣な相談をした。
10分程度だったろうか、会議の結果、3人とも雨を避けて帰ろうという結論に至り、各々好きなアニメのキャラクターに変身する為ポーズを決めてから、一気に帰ることにしたのだ。
私は意気揚々とテリーマンになり外に駆け出したのだ。
雨を避けて帰るという我々3人のもくろみは、ものの数秒で雨とともに流れ落ちていった。
それからの私たちの心の変化は早かった。
そう、どうでも良くなったのだ。
土砂降りの中、水が溢れかえっている砂場で遊ぶことにした。
最初はチャプチャプと足をつけて遊んでいたのだが、段々とエスカレートしてゆき、泥の投げあいに発展した。
あれはとにかく痛い、連続で投げられると物凄く痛い。
男の勝負というのは、来た物を全身で受け止めその倍を返すものだ。
私は考えた、そうすればより量があり、強力な攻撃・・・
なにか入れ物は無いのか・・・
そうだ!ランドセル!あれにめいいっぱい泥を詰め、頭からかけることが出来れば私の勝ちだ!
善は急げだ、中に入っているものなど関係ない、とにかく食らわすのだ。
私のメガ粒子砲並みの攻撃は、見事佐久間君に的中し、心を折るほどのダメージを与えたのだ。
しかし彼らも幼くても男だ、皆メガ粒子砲の大量生産に成功したのだ。
私達は皆泣くまで戦い続けた、そう、男のプライドのみをかけて。
しかしそこまでして戦った男に対し、親は怖かった。
メガ粒子砲どころか、玄関で母親のビックバンを喰らったのはいい思い出だ。
次の日は3人ともしょんぼりと登校をした、皆心なしか頬が赤かった気がする。
私のランドセルは内側の損傷が激しく、いつ手を入れてもジャリジャリとした感覚を抱くようになってしまった。
3人の中で特に酷かったのが佐久間君のランドセルだ。
黒の筈のランドセルが、白に様変わりしてしまった。
まるで20~30年くらい使っている安物の革製品のような、イタイタしい風合いをかもちだしていた。
ヴィンテージ佐久間の誕生だ。

そんな心ときめく幼少の雨。
彼女の叫んでいる言葉は『牛乳が飲みたい。』

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