Photogenic
青山店
one and only,
投稿日:2022/1/20
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Photo&Write by Reiri
Coordi by Gomei
@AOYAMA
「あー、楽しかったぁ!!」
モニターが終わった後、ママさんは踊るように体を弾ませながらそう言って笑っていました。
その姿が本当に本当に楽しそうで、ライフスタジオに初めて来てくれたご家族にそう思っていただけたことが、私も五明さんも、とても嬉しかったものでした。
撮影を楽しんでいただくこと、は、私たちが少しこだわりたい部分です。
『美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間』というのが、ライフスタジオが定義している『写真館』だからです。
そこに楽しさがなければ、良い思い出を伴うことはできず、それは主な被写体である子どもたちだけのことでもありません。パパさんママさんに楽しんでいただくことも、その空間の質を大きく左右する部分であると思っています。
ライフスタジオに初めて来るご家族は、期待感もあれば緊張感や不安もあるでしょう。『自分たちの写真』は店頭で完成品を吟味して購入できるものではないので、撮られてみなければわかりません。自分たちがどんな写真になるのか、どんな風に撮ってもらえるのか、ライフスタジオのHPのgalleryやInstagramの写真を見ながらイメージするのが精一杯、それでもその中で何かを良いなと思ってもらえたから、こうしてライフスタジオに来てくださいます。
そのひとたちが感じてくれた『良いな』と思うポイントを、撮影者としては大切に反映させたいところです。それをしっかり汲み取れてこそ、撮影者としての信頼を得ることができますし、信頼してもらえてこそ緊張感や不安を拭うことができるのであって、そこで初めてパパさんママさんも撮影を楽しく感じる余裕も出てくるというものではないでしょうか。
楽しい、という感情は、ひとを美しく輝かせます。生き生きと、溌剌と、人間らしくいさせてくれる感情です。楽しみ方に、そのひとの美しさは垣間見えます。私たちはライフスタジオの撮影者として、『楽しい遊びの空間』を構成し、そこにいるひとたち皆が楽しめている環境を作り出せてこそ、そこに垣間見えるひとの『美しさ』を表現しようとすることができます。
こちらのママさんも、いくつかの写真をお持ちいただいて、「こんな写真が欲しい」というご希望を伝えてくださいました。ライフスタジオのものではない写真もありましたし、青山店の写真もありました。ちなみに、お持ちいただいた青山店の写真は全部五明さんが撮影した写真だったので、ちょびっと身構えたものでした(笑)。
正直に言って、『こんな写真が欲しい』という希望に全く同じものでお応えすることはほぼできません。すみません。何しろ、撮らせていただいているのはこの世界にたったひとりの『あなた』であり、それを撮るのはこの世界にたったひとりの『わたし』なものですから、そんな唯一無二同士の掛け合わせは、その時だけのものなのだと思うのです。
それでも、ママさんの希望を踏まえながら『こんな写真が欲しい』というサンプルの中に共通するママさんの嗜好や、想いや、イメージを探り、それを目の前の『あなた』にハマるように少し整えてみて、写真にしようと試みます。
そして、その過程で重要なことが、『楽しんでもらうこと』。その空間にいる人全員が『楽しい』という感情を思う存分解き放てることが私たちの撮影において重要な条件であり、環境です。そんな条件を、環境を、作り出していくことにおいては、コーディネーター・五明和真は最高のパートナーです。時にはブチ上げすぎちゃったりもしてアウトオブコントロールな状況を招いたりもするのですが。
今回も、決して最初からニコニコな赤ちゃんではありませんでした。しかし、五明さんの地道なアプローチで彼は笑い出し、彼の笑顔を見てパパさんママさんの緊張感や不安は無くなったように感じました。彼を笑わせる為にパパさんママさんはたくさん協力してくださり、そんな中で生まれる一体感が撮影空間に満ちていく心地良さがあって、私たちはその時間を『楽しい』と、感じます。
「あ、あ、ちょっとこういう、手に捕まって歩かせてあげてる感じの写真も、撮って欲しいです!」
おむつ姿の撮影を終えようとしたタイミングで、ママさんが言いました。その時のママさんのイメージは、向かい合って手を取って誘導してあげるような、そんな感じだったと思います。しかし、ノリノリな彼に合わせているうちにターンしてしまいくるくる回って、最終的にこういう形になりました。
この瞬間こそ、唯一無二の美しさ。私と五明さんの「ママさん、可愛い!!!!」の声がハモりました。
こう撮って欲しい、のイメージから派生して、彼ららしい形になって、それがとてもとても楽しくて、楽しんでいたらこんな表情が生まれます。
きっとこの先何年も、家族の中で楽しい思い出を伴う記録として残る、美しい写真。
ああ、楽しかった。
撮影が終わった後、自分でほぼ無意識に、そう言っていました。
撮影は、楽しい。この気持ちが、撮影させてもらったご家族や一緒に撮影に入ったコーディネーターとも共通のものであったのなら、それはきっと唯一無二の、良い撮影だったのだと思います。
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