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私の写真

投稿日:2017/10/1

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Photo by Tanaka

普段75枚の写真を撮っていて、私が信条にしていることが幾つかあります。その内の一つが、75枚をショートムービーの様に流れで魅せつつも、1枚の写真の重みを大切に撮影する事です。

その家族と共に過ごす濃密な1時間を75枚という決められた枚数で語る事ももちろん重要だと思っていますが、私はその75枚の中の1枚1枚の写真に込める想いも大事にしたいと考えています。だから私は、その1枚の写真に時には大胆な気持ちでシャッターを切ったり、悩みに悩んで臆病な気持ちになってシャッターを切るのです。でも自分の中で考え抜いて撮った写真は、私の写真であるのです。スライドショーで75枚を流していて、途中で画面を止めても、どれもがたった一つタイトルになる写真なのです。
 
これまでの自分の写真を見て自分自身で感じていた事は、誰かの影響が直ぐに分かる写真だな~とか、綺麗にまとめようとした写真だな~というアンチな見方ばかりでした。これは第三者からも言われてきた事なので、実際にそのような写真ばかりだったのだと思います。でも最近になって「私の写真」というフレーズをよく耳にする事が増えました。写真に携わるようになって、これまでもがいていた「私の写真」というものを漸く昇化させつつあるのかと考えます。今回この選んだ1枚は、75枚の中のたったの1枚でもあるし、とっておきの1枚でもあるのです。
 
この被写体に対して特別なエピソードはありません。
オムツシーンの合間にコンディションを上げる為にミルクやおやつを食べることは良くあるかと思います。この写真もそんな一コマです。でも、そんな日常的な光景を劇的に見せることが、撮影した私の使命だと思っています。ありのままを撮影するだけでは、よりその写真を特別なモノとする事は出来ないのです。カメラマンにはいろいろなタイプがいると思います。誰もが驚くような構図や光でアーティスティックに撮る人、柔らかい雰囲気を撮る事が得意な人など、各自が得意なジャンルや強みを持っていると思いますが、私はそのどれも持っていないのです。ではそんな私がこの日常的な光景を劇的に変えるにはどうしたら良いのでしょうか。そこで私に出来る事は、これまで学んできた事をフル回転して全力で惜しげなく出し切る事だと考えます。
 
赤ちゃんの柔らかな弾力ある肌がより綺麗に映るように光を考え、この写真でもっとも目線をもっていくポイントを作り、そこに目線が集中するような構図と構図に合わせてレンズで撮影し2次元でしかない写真に奥行きを持たせる事、光だとか構図とか基本的な事だと思いますが、基本的な事を最大限出し切って撮影する事が、写真を特別なものにする為の魔法なのだと思いました。だから「この子はこうだった」とか「あの時のママの気持ちはこうだった」とかは私には無く、そういう写真から感じる被写体に対する共感する想いは、見る人ひとりひとりが自分の中で、自分の気持ちとして写真から自然に感じ取ってくれたら良いなと思っています。

被写体との関係性ももちろん重要に感じますが、この写真においては、敢えて私という人間は入っていません。赤ちゃんとママというこの二人の空間において私は必要では無く、むしろ赤ちゃんとママの空間を作ってあげる事が、この写真の完成度を上げるのだと考えました。そして写真を見る人にとって、今回のこの写真からは「私の写真」というものを見て貰う事が重要だと思っています。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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