photo by Kurumi Matsuda, Coordi by Tatsuhito Goto

 

私は、この１枚の写真をきっと一生忘れないと思います。
それくらい、大好きな大切な写真です。

この写真を見ると、カメラマンとしてカメラを持った時の気持ち、カメラマンになるまでの日々、

撮影は一人ではできなくて、みんなで作っていることを思い出させてくれます。

水色が好きな彼女が選んでくれた、この着物。
そして、コーディネーターのごっちゃんが選んでくれた、洋風な帽子の髪飾り。
その時間はとてもきれいな光が入っていて、私はこのインテリアで撮ることを決めました。
サイドから入ってくる光のおかげで、彼女のお顔の輪郭がよりきれいに見えるのではないかと思います。

一輪のお花を持つ彼女が一番美しく見える角度を誘導してくれ、彼女の優しい表情を引き出してくれたごっちゃん。

私はその一瞬を逃さずきれいに写真に残すことに精一杯でした。

撮影は、一人ではなく、そこにいる被写体の彼女。
彼女のかけがえのない今を残すために支えてくれるコーディネーター。
撮影を一緒に楽しんだり、見守ってくださる彼女のご家族。

みんなと一緒に作り上げているのだと心から思いました。

カメラマンであるということは、今しかないその瞬間を永遠に残すお手伝いができる素敵な仕事だと思います。

彼女のこの小さいからだ。
まっすぐに見つめるやさしい瞳。
彼女のこの表情。

それはその瞬間にしかなくて、でも永遠に写真として"ここ"にあるのだなと思います。

大きくなった時に何度でも見返したくなったり、
なんだか家族が愛しくなったり、
そんな写真をみんなで一緒に作ることができるカメラマンに私はなりたいです。