フォトジェニック候補Photogenic

明日も

2018/6/7

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photo by Chappy
cordi by Momo
 
「良い写真」とはなんだろう。
 
光がきれいな写真か。
被写体が笑っている写真か。
インテリアが美しくトリミングされている写真か。
 
ライフスタジオでは写真の要素を3つ規定しています。

<Interior design>
ただ撮影の空間としてあるのではなく
被写体を動かしイメージを演出し
写真全体を調和させるインテリア

<Eyes>
まっすぐな瞳に はっとして
伏せたまつ毛に見惚れてしまう
瞳を写す瞬間
時に多くを語るその瞳は
目に見えないけれど 
写真の中に見える大切なもの

<Daylight>
晴れの日に差し込む 溢れるような暖かい光
雨の日に漂う しっとりと寄り添う光
さまざまな顔をもつ自然の陽の光によって
被写体の美しさを最大限に表現していく


つまりライフスタジオが考える「良い写真」とは
・被写体とインテリアが統合されていること
・目線、表情が写真の雰囲気に合っていること
・被写体に合わせた光の使い方ができていること
 
以上の要素が組み込まれているものが
「良い写真」に必要な要素だと考えられています。
 
そんなライフスタジオには撮影時の
ポーズ形式(フォーマット)のような
決まりごとがありません。
 
これが一体何を意味するのかというと
1から10まで全て自由にできるという意味です。
 
それは一方で全てを自分たちで考え、予測し、
作り上げなければいけないという意味も含みます。
 
さて、ここまでは良い写真と
ライフスタジオの撮影について
まとめさせていただきましたが、
ここからは自分自身について
書かせていただきます。
 
僕は前職でもカメラマンをしていました。
そこはいわゆる第二世代の写真館で、
ポーズや画角、カメラの設定など、
会社に決められた状態で臨むスタジオでした。
 
それは自分じゃなくても、誰が撮っても
変わらないのではないか。
そう思った日から悶々とした時を経て、
現在はライフスタジオのカメラマンになりました。
 
そんな僕だからこそ、最初は1から10を作る
撮影の大変さに苦戦し、一時期写真が
あまり好きではない時期がありました。
 
ただ今なら、写真が好きだと断言できます。
 
それは自分が感じ取った「その子」を残すために
1から10を全力で作り上げようと
一緒に協力してくれる仲間がいるからです。


 

#what makes you beautiful?
(美しさの規定)
 
この写真を見たときに人は何を思うだろうか。
小さな男の子が服を着ようとしていて、
服を見る目は笑顔ではなく少し憂いを帯びている。
その表情とは裏腹に、彼を照らす光は白く明るい光だ。
また右側に何かがあり、そこには光が当たっていない。
 
撮影者ではない人がこの写真を見て思うことは
おそらく上記の内容ではないだろうか。
 
ここからは自身が感じ取った彼と
この写真に込めたイメージについて明記したいと思う。
 
まず彼はとても利口な2歳の男の子だった。
はじめは緊張していたものの、コーディのモモちゃんが
クマのぬいぐるみで遊びを仕掛けたら
すぐに笑顔を見せてくれた。
 
撮影が進むにつれ、いたずらな笑みなどを
出す彼に、僕もモモちゃんもどんどん魅了されていた。
(撮影中はアイドルのコンサートのように
きゃー可愛い、かっこいいーと叫んでいた僕ら笑)
 
そんな彼も3シーン目で少し疲れがみえ、
その時僕には彼の中に
「期待に応えたい気持ち」と「もう疲れた帰りたい」
という感情がせめぎ合っているように見えた。
 
これも今現在の素直な彼であり、彼の感情である。
何とか形に残したいと思い、声かけは
表情ではなく動作についてのみ行った。
 
するとどうだろう。
僕の指示通り、服を着ようとする彼。
ただその表情は少ししぶしぶな様子。
 
「今の彼」を残すための瞬間はできた。
 
あとはイメージに合わせたトリミングを行うだけ。
僕がこの写真に込めたイメージは
「まだ明るいのに遊んでた公園から
帰らなければいけない男の子」だ。
 
楽しかったのに帰らなければならない。
これは誰しも経験のあることではないだろうか。
 
その時、何ともいえない名残惜しさや
寂しさ、帰りたくないという反抗心が
芽生えたことが僕にはある。
 
「今の彼」を表すのにぴったりだと思い、
そのイメージの元、画角を決めシャッターを切った。
 
あ、撮れた!!
 
シャッターを切った瞬間に何か熱い気持ちが過った。



#photo×recipe
(撮影技術)
sh 1/125
f 3.5
ISO 200
標準レンズ 67mm
 
今回は撮影前の被写体観察から、モモちゃんと
一緒に撮影を作り上げるため、念入りに話し合った。
 
服の提案はセンスのいい彼女にお任せだが、
フォレストの光の具合、彼の顔立ちを見て、
「できるだけシンプルな服で」
と先にお願いしていた。
 
僕の中の彼とモモちゃんの中の彼は、
100%とはいかないが恐らく90%近くは
一致してたと思えるほど服と彼、
そしてインテリアはマッチしていた。
 
次に光とロケーションを決めるにあたり、
逆光ではなく半逆光を、そして扉を前ボケとして
使用できる位置に決定した。
 
今回半逆光を選んだ理由は、写真教育で新たに
学んだこの光の特徴が僕のイメージに
1番近いと判断したからだ。
 
光と被写体の距離により当たる光量や、陰影を
つけやすく、顔の角度によって、輪郭や
写真の雰囲気そのものを調整しやすいのだ。
 
そして植物や白いイスではなく、
光の当たっていない扉を前ボケにしたのは、
背景の整理はもちろん、少し暗めの印象が
彼の感情や写真のストーリー性を表現する上で、
相乗効果をもたらしてくれると考えたからだ。
 
あとはその割合と彼の仕草が行われる瞬間を
見極め、シャッターを押した。
 
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ライフスタジオでの「良い写真」の要素を
自分の中で改めて思い返し、その上で
僕が考え感じたことを、モモちゃんに共有し、
たくさん協力してもらいながら
撮れた結果物がこの写真です。
 
正直カメラマンだけで写真を撮ることは
ものすごく大変です。
 
その質は信頼できるコーディネーターが
いるかいないかで格段に変わると思います。
 
だからこそ僕の想いに共感し、
時には思いがけない
提案や発想を与えてくれる、
信頼できる仲間がいるからこそ
僕は写真が好きなんだと思います。
 
大切なことを忘れないように、
明日からもまた「良い写真」を
撮れるよう、精進していきます。

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