『表現しないという表現』

Photo.OHAGI　Coordi.Sacchan

 

『目の前を瞬間に記録する』”スナップ写真”という言葉を聞いたことあるだろうか。

そんなスナップ写真が大好きで、私も毎日カメラを持ち歩いています。

瞬間を記録するからこそ、撮影者の『心が動いた瞬間』が反映されるのかもしれません。

七五三でのご兄弟撮影

ひとしきり撮影が終わり

最後にもっと近づいてー！と声をかけたところ

見慣れぬ弟のヘアセットが気になったのでしょうか。

兄がおもむろに、弟の髪を上に伸ばし始める。

ニヤニヤする兄。されるがままの弟。

唖然とする家族…

この瞬間が、ふたりの関係性を表してるなと思い、止めずにシャッターを押した。

 

カメラ目線で笑顔の写真が成功であれば、この写真は失敗なのかもしれません。

誘導するような声かけもしてない

ただ目の前を記録しただけの写真ですが、このご家族の思い出の1ページにはシッカリ残るのだと思います。

『表現しない』という表現をしたからこそ、この兄弟の関係性がダイレクトに伝わる。

子どもたちの笑顔も、抱っこを求める泣き顔も

思わず息を呑むような写真も、クスリと笑ってしまうような写真も

目の前のご家族の大切な瞬間を逃さず表現できるカメラマンになりたい。