同じ場所で何度も撮影をしていると、美しく撮ることができるパターンができていきます。

ただし、毎回の撮影でも被写体は毎回違うことはもちろんのこと、新しい着物も増えてきている中で、同じパターンで撮り続けてしまうと必ず壁にぶち当たります。すべての被写体に合う、決まった撮り方なんてものは無いからです。

その子に合ったベストな写真を撮りたい。しかし、このままでは今の条件の中でのベストしか出せない。

条件を増やしていけば、表現の幅が広がり、その被写体にとってよりベストな写真が撮れる可能性も広がっていくと考えます。

可愛らしいポップなピンクのお着物を着ている彼女は撮影前、少し緊張気味ではありましたが、ご家族が常に笑顔でいてくださったおかげで、それにつられるようにたくさん笑顔を見せてくれました。お姉ちゃんがいるからか、言葉が達者で、たまに出る3歳とは思えないお姉さんな物言いの見た目とのギャップが、とても可愛らしいです。

そんな彼女を見て、3歳だけどちょっと落ち着いた雰囲気の写真も撮ってみたいと思いました。

新しい表現の幅を広げるために取り入れたのは花柄の屏風。

花柄の主張が強いので、同じく柄がはっきりしたお着物と喧嘩しそうですが、

被写体との距離を取ることによって、屏風の花柄は良いアクセントとなり、主役である彼女を彩ります。

ライティングはオレンジライトで温かみを出し、彼女の仕草や表情に注目させたいので、シンプルな一灯にしています。

雰囲気は大人っぽいですが、赤いベレー帽、うさぎのぬいぐるみやいちごなどの小物で3歳の彼女ならではの子どもらしさも残しました。

彼女の柔らかい表情を見ているとなんだか温かい気持ちになるこの写真がとても好きです。

私が新しいことに挑戦するのは、自分のためだと思います。

自分の中の表現の幅が広がっていくのが楽しいからです。どうなるんだろうと考えている時間はとてもわくわくします。

その楽しさの先に喜んでくださる方がいるというのが、私の一番のモチベーションに繋がっています。

そのために常に向上心と好奇心を持ってどんどん新しいことに挑戦していきたいですね！

coordinator by noripi-

photo by naomi