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瞬間をとらえる為の法則

投稿日:2025/6/23

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私たちが大切にしているのは、ただ写真を撮ることではありません。
子どもたちにとって「楽しい」と思える時間を、一緒に創りあげること――それが、私たちの原点です。

では、その“楽しい時間”や、一見なんでもないようで実はかけがえのない“決定的な瞬間”を、写真としてどう捉えていくのか。
目の前で起こっている出来事を、どう切り取るかは、フォトグラファーひとりひとりで全く異なります。

同じ空間にいても、見ている角度も、心が動くポイントも違う。
だからこそ、シャッターを切るその瞬間はまさに千差万別。
その一瞬を逃さずにとらえるために、フォトグラファーは実に多くの選択をしています。

どのレンズで、どんな光を選ぶか。露出はどうするか。いつシャッターを切るのか。
決定的な瞬間を「見つけて」からカメラを構えていては、間に合わない。
だから私たちは、常に目の前の事象を観察し、「その瞬間」が訪れるであろう未来を頭の中に描きながら準備を始めます。

「来る」と感じるタイミングには、すでに構図も決まり、あとはその一瞬を静かに待ち構えるだけ。
そして、心の中に鳴った合図とともにシャッターを切り、その一瞬を写真として焼きつけるのです。
そのために必要なのは、何よりも「観察」です。

この写真に写る子どもたちは、撮影当初、上のお兄ちゃんたちが元気いっぱいに動き回り、
一番下の赤ちゃんは場所見知りで不安そうに佇んでいました。
もしここで、無理に私たちがコントロールして子どもたちを並べようとしていたら――たしかに「きちんと並んだ写真」は撮れたかもしれません。
でも、それは“ただ並んでいる”だけの写真だったでしょう。

「自由にしていいよ」という言葉は簡単に言えるけれど、
本当に自由にしていいなら、子どもたちは部屋の外へ出て行ってしまうかもしれません。
だから私たちが言う「自由に」は、私たちが意図した範囲――たとえば「このラグの上で」などのゆるやかな条件のなかで、子どもたちがこちらを気にせず、のびのびと過ごせる状態を意味しています。

条件が増えるほど、子どもたちは萎縮してしまいます。
だから今回は、唯一の条件として「このラグの中で遊ぼう」とだけ伝え、あとは自由に任せました。

私たちは普段、家族写真や兄弟写真では、複数の被写体を“面”でとらえて、被写体全員にピントが合うことを優先して撮影しています。

でも、今回は少し違う判断をしました。
「全員にピントが合っていなくてもいい」――そういう条件を、自分の中にあえて設定して臨んだのです。

その真意は、主役である赤ちゃんを引き立たせるという意図です。
多少の前後差があっても、主役の赤ちゃんにピントが合っていれば、そこに自然と視線が集まり、動きや表情にフォーカスが当たる。
むしろ、背景の兄たちがぼけることで、赤ちゃんの存在感が際立つ――そんな計算もありました。

もちろん、撮影中は状況に応じて変化する子どもたちの動きや表情に合わせ、その都度、最も心が動いた子にピントを合わせていきました。

そして、撮影の後半に訪れたこの一瞬。
家族写真・きょうだい写真では通常F値5.0~5.6で撮影しますが、ボケ感を活かすためにF値は4.0に設定。
本当は赤ちゃんにフォーカスを置こうとしていましたが、お兄ちゃんたちが驚くほど良い笑顔を見せてくれた。
だから、その瞬間は迷わず兄たちにピントを合わせて、シャッターを切りました。


技術と感情が交差する地点、それが心動く一瞬なんだと思います。

その瞬間を捉えるため、被写体を観察し、自分の中の条件を整える。

それが瞬間を捉える為の法則なのではないでしょうか。

 

Photographer& Writing :  : tansho
Coordinator:shiba

Location : Kokubunji

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