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あなたはどこへ行くの

投稿日:2018/11/20

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Photo=writing:Tomiki

Codi :uechan

LifeStudio:yoyogi

 

私は小さい頃、事あるごとに「2001年宇宙の旅」を見ていた父の影響で、一人リビングが寂しくなると意味もなくこの映画をテレビに流すことがあります。
冒頭のシーン月の影から現れる地球と太陽、そこで流れる『ツァラトゥストラはかく語りき』は見るものを映画というものを超えた、ある種の新鮮なイマジネーションの世界へ誘います。それは個人的にはポール・ゴーギャンの『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を見た際の感覚に似ているとも言えます。

最近見た映画でソフィア・コッポラの作品「SOMEWHERE」のラストシーンがとても心に響きました。

“荒野で黒いフェラーリにキーを指したまま降りる主人公のジョニー、ケタタマしく車のアラーム音が鳴るだけど彼は気にとめない、それはここではない『どこか』へ行くのだから。”

題名の「SOMEWHERE」とはどこかに、どこか、ある所、(数量・時刻・年齢など)おおよそ、大体という意味合いです。
映画のあらすじは、離婚した妻のとの娘クレオを突然預かることになった主人公、ジョニー・マルコは、それまでの自堕落な暮らしを改めざるを得なくなる。彼女と過ごす普通の、だからこそ新鮮な日々の中で、彼は今まで忘れていた大切なものを思い出していくという物語です。

 

なぜ『どこか』へ行くのであろうか?世の中にある多くの作品がそんなことを、ふと思わせる作品がたくさんあります。その問はあるときは人に希望の光を見せ、あるときは深いかな悲しみに語りかけてくるような不思議なチカラがあります。

この写真も、そのような問を投げかけたくなるような魅力を感じるでしょう。

 

写真を見て第一に感じることはライフスタジオのインテリアには『ぬくもり』が存在するということ


個人的な考えですが、今日の写真館産業が『思い出を残す場所』という本来のあるべき姿からより産業化された存在になり、写真という概念が日本においては消費社会の枠組みにとらわれた一種の不自由な媒体となってしまっていることを強く感じています。
それを一番感じるのはインテリアを通してです。多くの写真館を見てみるライフスタジオに似たインテリアが数多く存在し、“舞台デザイナーなどに委託して作成したインテリアです!”などの紹介文を多数目にします。しかし多くの資本金を持って舞台デザイナーや背景美術に受注したインテリアには、どんな存在意義があるのでしょうか?そこには産業的な存在意義しか付与できないことはたしかです。

ライフスタジオのインテリアはスタッフたち自らで作成することにより『ぬくもり』が生まれます。それは私達が私達自身でインテリアを作成するのは、写真館を産業的な側面よりも写真館とは『人と人が出会う場所』だと考えているからにほかなりません。だからこそライフスタジオのインテリアは人を魅了し、更にはこの写真やライフスタジオの写真が素晴らしくある理由になっていると個人的に感じています。

私自身も不思議な話、日々撮影していくたびにインテリアをまるで人のように好きになっていくのです。

 

第二に画面上を構成する様々な構成物が物語を作り上げます


右上の置かれた時計は『時』を表し今ここにある時間を象徴し、木の存在や植物の緑は『生命』を表し画面構成にも安心感やぬくもりを与えます。そして扉がの存在が現在と未来の境界線を象徴しています。写真には今ここにある時間と未来や過去の異なる時間が存在し、その対立が写真の主題となっています。写真の美学は引き算だとよく言われますが、この写真の美の要素は足し算です。画面中に沢山ある構成物が写真に賑やかさと、それによる情緒を与えます。絵画や芸術において異なる対立物を存在させテーマ(主題)とすることはよくあることであり、それは作品により一層の深みを与えます。

この画面構成を作り上げた理由としては、ただ単に「画面構成を美しく成り立たせたかったから」という思いからでもあります。しかしそれよりは、私達(ライフスタジオ)と被写体(ファン)の関係性が過去にも未来にも、どのように存在していくのか?=どこへ行くのか?という問いに対し、写真という存在を通して過去にも未来にもライフスタジオが『人と人が出会う場所』でありたいと思い続ける私達の物語を描いたのです。

 

第三に目線は被写体に


すべての存在を満喫した上で視線は被写体に集約されます。最高のポートレートの条件はすべての構成要素が被写体に集約されること、つまりイメージの上で存在していた五感のすべての要素が被写体のために存在していたのだと気づくことです。光・被写体の周りに存在する意図的なノイズ(前ぼかし)・トリミング・レンズの焦点距離等の要素が全ては被写体のために構成されているということです。素晴らしいポートレートはそこから被写体が感じている世界や心情はどのようものなのか?と人に考えさせます。あなたもこの写真と向き合い考えてみてください。

 

『あなたはどこへ行くの』という題名は私達と私(ライフスタジオ)被写体(ファン)あなた(写真を見るもの)に問いかけられた一種のおまじないみたいなものです。

私は日々写真の可能性はなんなのか?と考えることがあります。
芸術としての写真の可能性・商業媒体としての写真の可能性のことなど様々です。
そのような自己問答のなかで、この写真を通して一つ確認できたことがあります。それは写真が『人と人が出会う場所』であってほしいとの想いです。

文章内でも書いたように写真館はより産業化されたものになりつつあります。そのようななかでインスタグラムなどのSNSなどの自由な世界で、写真というものを通して純粋に人と人がつながってゆくのを見ていると、これこそが写真の本質的な可能性ではないか、また私達(ライフスタジオ)がインスタグラムやSNSを通して人と人がつながってゆく事ができる新たなプラットフォーム・価値を切り開いていこうとするのは必然的なことであるような気がしてなりません。『あなたはどこへ行くの?』と尋ねられれば、私自身もそのような価値を皆様(ファン)とそして私達(ライフスタジオ)と共に切り開いていく“者”となっていきたいと答えるでしょう。

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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