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photo 74

投稿日:2018/5/5

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家族写真。

Finder10という写真学習の中で4月・5月は家族写真に取り組むこととなった。

課題として“家族写真を組み立てる”“家族の関係を描写する”という事柄を中心に考え、実践していき、文章にまとめるという流れである。

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個人は家族のひとりであり、家族は個人の集まりである。

そして家族の姿は、変わらなくとも変わり続けるものである。

 

普段なら家族写真は、家族全体がひとまとまりに見えるように被写体の距離を近づけ、女性は女性らしく足を閉じ、男性は大きく見えるよう足を広げしっかりと立ってもらう。

家族以外の大きなものはあまり入らないよう必要がなければ片づける。

 

この写真は、そのどれもなされていない写真である。

しかし、この写真はご家族をよく表現している写真だ。

 

写真に写ることを苦手とし、棒立ちで家族との距離を取る弟。

そんな弟を軽く挑発しつつ楽しむ、ユーモアのある父。

スタジオのくまのぬいぐるみにまでも深い愛情を注ぎ、常ににこやかな母。

自分も写真は苦手でどうすれば良いか分からないが、それよりも弟の様子が気になる姉。

そんな被写体であるご家族の姿を「あえて(指示を多く)しない」という事で11人の個性と、ご家族の関係を表している写真。

 

ホリゾントの両サイドから被写体を照らす光、ピントを合わせることを考慮してご家族の皆さんには横一列でという指示はしている。

学生服は黒や濃紺であり、母やくまが中心にいる事で、両サイドから光がきてもそのフォルムを消さずに程よい陰影をつける。

どうしてポージングの細かい指示をしなかったのか…

きっとこの写真を見てご家族のことを知らない人はこう思うかもしれない。

もっとみんな近づいたらいいのに…

手や足にポーズを付けたらいいのに…

同じものを見てもらえばいいのに… などと。

しかし、前回の撮影もくまのぬいぐるみと共に家族写真を撮ったこのご家族のことを知る私たちは、この状態でいる時こそがご家族らしいことであり、そして家族を形成する個人個人をよく表していると思った瞬間だった。

 

私がこのとき、一番気になったのは姉の立ち方だった。

私も昔はよくやった足の外側で立つ格好。見た目で言えばあまり綺麗だと言える形ではないかもしれない。

でも、大人になったらきっとこの立ち方はしなくなってしまう。

この時の彼女の心境と、中学生という今だからこそのもの。

だから

母のくまちゃんに向けるまなざしも、

父のくまちゃんを愛でながら息子の様子を伺う姿も、

父を見下ろし棒立ちながらも表情を和らげる弟も、

一番遠くから弟を見ている姉の中高生特有の立ち方も。

これらを直そうとしてはいけない。そう思い見守ったこの時間。

 

このご家族だからこそのこの写真。

個人も家族もどんどん変化していく中でこの時を残した写真。

 
photo by Soo
ご家族とのエピソード

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良い家族写真とは何か。

それを考えながら撮影をしているが、正直それは私が決められる事ではない。

もちろん綺麗で、温かで、理想的な家族写真を追い求め、根拠や技術を得ていく事に変わりはないが、私に言えることは、私は良いと思う。私は好きだ。そういう事でしかない。

そしてそれが、ご家族や写真を見てくれる人たちも同じ気持ちになってくれたら。

そうなるように努力を重ねていく。

私たちに出来ることは、それだけなんだと思う。

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人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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