混乱に飛び込む

 

ライフスタジオで感動を生み出すためには、はじめは、安定した写真や撮影をしていかなければならないと思う。

しかし写真や撮影、それだけなく会話の内容まで型にはまって、日々大して変わりばえしないものになってはいないだろうか…

そんな自分にハッと気づいては危機感を覚え、安定したものを捨ててみる。

 

それは安定を考えることこそ、実際には混乱を招いてしまうと思うからだ。

撮影をする中で、思うようにいかない場面は多くある。

子どもがせわしなく動き回ったり、会話がかみ合わなかったり…そもそも通じなかったり。

それでも何とかインテリアの決まった位置に固定し、代わり映えしない鳴き声クイズを始めたり、一方的なくすぐりで笑顔を引き出そうと撮影を進めていこうとする。

 

それは本当に安定した撮影なのだろうか。

その光景は一種のギャグにもみえる。

 

たとえそれで、安定した見栄えのいい写真が出来上がったとして、本当の意味で自分や相手の中で感動は生まれているのだろうか。

 

困難そうに思える撮影のなかで、ふくらんでいく混乱を目のあたりにしたとき、

安定を求めることに傾いて、それをすっかり終わらせようとすることは安易なことだ。

 

時には、自ら混乱というものの中に飛び込まなければならない。

 

混乱というのは、何かが生まれる前の陣痛のようなものだから、

混乱を認識して、体験したとき、

新しい写真や撮影が生まれ、

きっと今までにない感動も生まれると思う。

 

さぁ、勇気を出して混乱に飛び込もう。