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代々木店
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投稿日:2017/4/30

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「直感と理屈」

 

最近、代々木店内でコーチングのタイプ診断を行う機会があった。

だいたいこういった類いのものは、分かったような自分の性格の答え合わせを楽しむものくらいにしか思っていなかったのだが、今回は何だか興味深い結果を見せつけられたのです。

簡単にいうと楽天家だった私は、理屈っぽいという診断をされたのだ。

周りからも意外だねと言われたが、私も同じく意外に感じたのです。

なぜそういう診断が出たのか、自宅に持ち帰り、落ち着く赤い部屋で妻に尋ねた。

 

「おれって理屈っぽいけ?」

 

「あんたは直感で決定してる。直感を肯定(選択)するためにあれこれ理屈をくっつけてんだから。いいわよねあだしなんか―ごにょごにょ」

 

ああ、なるほど、ごもっともで、ずいぶんシンプルで納得のいく答えが返ってきた。

たしかに私は、おおよそ生活に大打撃がない限り、欲しいものは手に入れたいと思う。

しかし直感だけで手に入れたものほど、色褪せていくものはない。

だいたい「特売セール」や「季節限定!」といったコピーに惑わされ手に入れたものは、あとになって後悔することが多い。

直感だけに頼った選択は不安と後悔に襲われる。直感という言葉は力強く聞こえるが実際はもろく信用ならない。

 

だから、直感を選ぶ為に理屈を添える。

直感は、目をつぶって当てずっぽうにくじを引くような性格のものではなければ、その瞬間にパッと閃くようなものとも違う。

それは、ほんの一瞬、一秒にも満たないような短い時間のなかで取捨選択だとしても、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明することができるものだ。

適当でやみくもに選んだものではないのは確かで、やはり自分自身が今まで学んできたことや知識や経験などの中から生まれてくるものなのではないか。

 

 

なぜそれを選ぶか、ということを自分に説いて聞かせれば、選択は安定するのだ。

カメラで写真を撮るときには、被写体に向かい、全体の構図を考えて、ピントを合せる。このピントを合わせるような作業は、まさに直感の働きが伴う。

その作業の中でそれまで自分自身の経験や体験、習得してきたことのひとつひとつの現れとしてつかむことができたなら(その瞬間にはあれこれ考えていないことあれども)そこには直感が働いているといえる。

当たり前のようなことを言っているかもしれないが、あらためて直感について考えたいと思う。

 

日々撮影をしていく中で、何をしたらいいのか、何を残したらいいのか分からなくなることもある。

そのときのひとつの指針となるのが直感なんだと思っている。

あの直感力を極めた棋士羽生善治先生は「直感とは迷いも悩みも起こりえない瞬間を捉えたもの」と仰っている。

その直感の中に大きなヒントが隠れており、そのヒントを手がかりとして考えを進めていくと、思いがけない展開、発見、未来があるという。

 

 

スタジオ撮影では勝負の場面の連続だ。。。

時間的な猶予がほとんどない。理屈で考えていたのでは時間がかかりすぎる。子どもたちは数秒と同じところにはとどまらないし、スタジオの中にいる人々や自然の光ひとつとっても流動的ですから。

その中で思考の過程を事細かく繊密に理論づけることなく、流れの中で「これしかない!!」という判断をするというのは、なければならないものだと思うのです。

それを無意識の中で行われるようにするために、これからもがき続け、学習と経験をいわば土壌として、たくさんの直感が生まれる瞬間をつくっていきたい。

 

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