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投稿日:2017/3/7

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「決断のバトン」<Coordinator&Writer:Yu>
 

人生は決断の連続である。
 

彼女は撮影の数日前に、自らの意志で長い髪を切ったそうだ。

私は、髪を短く切るという決断をする人が好きだ。

その心意気というかなんというか。

そこにカッコ良さを感じるのだ。

彼女にどんな心境の変化があったかはわからない。

しかし、その想いに至った事実はこの髪型が象徴していると思った。

 

だからこの時も、この髪型にした彼女だからこそ似合うコーディネートがしたかった。

新たな魅力にご家族だけでなく、彼女自身にも気付いてほしかった。

 

そして彼女に着て欲しいと思う衣装をピックアップし、並べて見せた。

彼女はジーンズに白シャツのコーディネートを選んだ。

今まで嫌がって母親が買ってきても絶対に履かなかったというジーンズを、自ら選んだのだ。

その光景を目にし、そんなエピソードを聞き、さらに彼女の事が好きになった。

そしてそんな決断をした彼女の気持ちのバトンを受け取り応えるべく、彼女の魅力を引き出す素敵なコーディネートをしたいと思った。

 

髪型はボリュームのある前下がりのボブ

衣装はジーンズ&白シャツ

他のシーンの衣装はドレスときれいめなセットアップ

 

決まっていたのは以上の3点。

 

私がジーンズ&白シャツにプラスしたのは、えんじ色のサスペンダーと蝶ネクタイ、黒いハットとブーツ。

マニッシュなスタイルにすることで、短い髪に合うカッコ良さを表現したかった。

小物を全て黒で統一せずにサスペンダーと蝶ネクタイをえんじ色にしたのは、色味のポイントとすることと、男性的なアイテムの中にも女性らしさを取り込むため。

そしてボリュームがあり丸みを帯びた髪型のシルエットをハットを被ることでシャープにし、前下がりの直線的なラインがしっかりと現れるようにした。

常に笑顔で柔らかい印象の彼女だったからこそ、カッコ良さやシャープさを強調する事で、より女性らしさや柔和な部分が引き立つ。

マニッシュは、女性らしさがあるからこそ輝くスタイルであり、彼女の髪型とも良くマッチすると考えたのだ。

これはコーディネーターである私の決断だった。

 

その時カメラマンは私のこの内側から溢れる感情とインスピレーションを感じとり“自由にやっていいよ!”と言わんばかりにその様子を楽しんで任せてくれていた。

彼女のご家族もまた、それを笑顔で温かく見守って下さっていた。

このスタイルに彼女を変身させると“待ってました!”とばかりにカメラマンが考えを巡らせ、セッティングに取り掛かかった…。

 

普段はカメラマンもコーディネーターも同時に考え、掛け合いをしていく事が多い。

しかし、この時はコーディネーターからカメラマンへバトンを渡すように、全力の想いと信頼を預けた。

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“たまたまの出逢いを残した写真”<Photographer&Writer:Soo>

できるだけ期待し、
目指して得られる写真でなく、
たまたまの出逢いに身を任せた写真。
しかも身を任せていることすら意識しないという写真。

私は写真を眺めながら、撮影に関わる全員が完全に身を任せていた状況が、この写真を撮らせたんだろうなと思う。


コーディネーターの優ちゃん。
打ち合わせで対面した時から
“あの衣装が似合うだろうな”
“こういうアレンジしてみたいな”
“こうやってみたらいいかも!”
と次々とイマジネーションがぽんぽん湧いてくる。
ただ純粋にこれが似合う!という衣装を真剣にニマニマしながら選ぶ姿を見て、もう彼女を止められないとわかり、任せるほかなかった。


長かった髪を自分の意思でバッサリと短く切った写真の彼女。
今まで嫌がって絶対に履かなかったというジーンズを彼女自身が選び、
この場所で、何か今までとは違う自分に出会おうとする心が表れ出ているのがフツフツと感じられた。

尚且つ彼女の父母もそれを受け入れ、私たちを信頼し、完全に撮影を任せてくれるとてもいい雰囲気を作ってくれたのです。
 

私はその全ての事柄に従い応じるつもりで撮影に入るだけ。
けしてああしよう、こうしようと、はじめから考えるのでなく、すべてを委ねるように、直感的にシャッターを切る。

そこには、カメラマン・コーディ・被写体の「もちまえ」が発揮されるように撮影されていく関係性がそこにあった。

わたしにできる事は、他愛のない話をしながら関係をつくり、被写体とコーディネートの雰囲気を捉え、背景となるインテリアを決定し、レンズを選び、ライティングを整え、小物をセレクトして渡し、被写体を招き、けして余分なポージングはつけず、心地の良い姿勢になってしまうよう誘導すること、
あとはフレーミングするだけで、それとなくアングルをさだめ、望遠で背景を圧縮し、それとなくインテリアの色味と線と面を整理する。

その他は委ねてしまう。
委ねることができなければフォトジェニックは撮れないかもしれない。
この写真は、被写体とご家族とコーディに委ね、委ねられたからこそ残すことができたフォトジェニックです。

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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