「家族写真の概念を越えていく。」
 

年末、家に缶詰めの日、少しでも外の空気を吸いたくなって、近所をぐるりと散歩していたところ 

 

二本離れた通りに写真館を見つけたのです。 

開いてるのか閉まっているのかも分からない静かな店内に飾られている沢山の子どもの写真。 

よく見ていくと、どれも同じ女の子のようで、赤ちゃんの時から七五三、入学、成人式までの成長過程、そして家族写真がズラーッと並んで飾られていました。 

 

飾り棚をボーッとのぞきながら、家族写真の大切さについて考えさせられたのです。 

 

実は私の家族写真は写真館で撮ったものしかありません。七五三と入学記念での固い硬い形式ばった家族写真の二枚。 

それはそれで私の大切な家族写真なのだが、 

そこには、私たち家族の形や関係が全く写ってはいませんでした。そしてそれが当たり前だったのです。 

 

私の幼き頃にライフスタジオがあったら、、、 

なんて悔やんでも仕方がないこと。 

だから、せめて同じようなことで悔やむ人をつくらないために、私はこの場所で多くの家族写真を撮っているんだと思っています。 

 

 

100日祝いにて掛け着での家族写真。 

掛け着を綺麗に見せるための座らせ方や抱き方、掛け方など多くの技術で伝統的な祝いの記録写真を残すことは写真館の義務であり、存在理由のひとつでもあるだろう。 

しかし、それだけで終わらないのがライフスタジオなのではないでしょうか。 

 

記念写真だけで構成されている写真館の概念を越えていこうと掲げたライフスタジオ。 

私がこの写真を残せたのは、この場所で写真を撮らせてもらうことができたからです。