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横浜青葉店
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パセリ

投稿日:2021/8/20     更新日:2021/8/25

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我々が75皿の料理で構成されたフルコースを提供するとき
テーブルの上に並べられる一皿一皿にはそれぞれの役割と意味がある。


のちに続く料理への期待感を高める前菜、同じく備えて体を温めるスープから始まり、メインディッシュと共にコースはピークを迎える。
肉料理で体を酸性にした後はサラダでアルカリ性に変えるなど、メインディッシュの中でテイストを変える時にも必ず意味があるが、こうした仕掛けは観る者には気付かれていない。
最後には余韻を残すデザートやコーヒーに至るまで、75枚の原本の構成に実は非常に神経を使っている。


モニターでお写真をご覧頂く際に流す音楽は、さながら料理に合わせて選ぶワインといったところか。
写真の表情を変えてくれる額縁は料理を乗せる皿の役割を果たしている。

 


一方で腕によりをかけようと気合を入れるほどついつい75皿のほとんど全てをメインディッシュで飾りがちだ。
これは誰でも、どんな時でも起こりうる現象である。


例えるなら…なんだろう
一皿目でトンカツ、二皿目にカレー、三皿目にラーメン、みたいな感じで75皿続けてしまう事って結構あると思う。


自分の写真で言うなら…
一皿目に「BonVoyage!」二皿目に「黄昏に生きて」三皿目に「しあわせはあたたかい子犬
といったところで
(こうしてみると結構脂っこい料理だなあ…)


撮った側の達成感は凄まじいが、こればかりでは見る側は胃もたれがしてしまい、思いやりにかけたものとなってしまいがちだ。


75皿の料理は一つ一つ切り離すこともできるが、基本的にはコース料理である事を忘れてはならない
写真は瞬間の美学といえど、お客様の貴重な1時間を頂いているという前提にあるため、この断続的なドラマをしっかりと表現してあげる必要があるからだ

 


なればこそ、その中には必ず口休めとなる一品が必要となる


決して主役にはなれない
もし、75枚からたった一枚だけを選べと言われたら選ばれる事は恐らくない
しかしメインディッシュを際立たせるため、あるいは食べる者のコンディションを整えるため、重要な役割を持つ一皿。


セレクトでお買い上げ頂く際にはきっと選ばれないであろう不遇なヒーローについて
今日は陽を当ててあげていきたいと思う。

 


◆◆◆◆◆

 


写真分析

 


手を繋ぐ
それだけの写真


今日の写真から一枚だけ選んでくださいと言われたら、多分選ばれるのは笑顔でカメラ目線とか?あるいはドラマティックな瞬間が写されている写真とか?少なくともこの写真ではないだろう


でもすごいんだ、この写真
知ってる?手の繋ぎ方って、みんな違う。


どっちが上なのか下なのか
包んだり、つまんだり、挟んだり、重ねたり、絡めたり、掴んだり


関係だけじゃなくて、その時の気分もわかる
リラックスしてる?緊張してる?かまってほしい?わかってほしい?守りたい?縋りたい?


目は口ほどに物を言う?
ならば手は、口以上のメッセージ力がある。
みんなが見逃してしまうだけで。実はとても。饒舌だ。


この写真の手には、力が入っている
肘がぎゅっと曲がっていて体全体に力が入っている。


でもそれは例えば緊張感から来る力みではなく、この足、背中、重心からわかる堂々たるたたずまいから、この力みがもっとポジティブな方向に向かわんとする意志を感じる力みであることが見える。


そしてそんな彼らを向かい入れるように、温かな光が彼らを包み込んでくれていて
3人の未来を感じる一枚だ


3人のトップスがシンプルだから、繋がれた手に視線が向かうようになっているだとか
3人お揃いのデニムに連帯感が表れつつ、色の違いに個性が出ているだとか
3人の衣装とインテリア、窓の外に見える木漏れ日でカラートーンが調和されているだとか


そういうのはおまけで

 

いつものことではあるが
細かい指示はせずにただシンプルに「手を繋いで!」とお願いして生まれた一枚
本来マキシマリストである自分では、考えられないシンプルな一枚だ。


撮影時は手の繋ぎ方がシンメトリーでないことに違和感を感じて、つい直しそうになったが、やめた


自然と出来上がった形。
これが「彼ら」なのだ。


今回の写真も、ミニマリズムの追求の一環から生まれた写真であった。
まだまだしばらく、研究が必要そうである。

 


photo :Hisho Morohoshi
coordi:Takuma Oto

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