Photogenic
横浜青葉店
「ストーリー設定」
投稿日:2019/1/10
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Photo&Write by Natsuko Takagawa
Coordi by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba
青葉店の写真主題に取り組む中で、秋ごろからキーワードとなっているのは「ストーリー」です。
はじめにその単語が出たのは、私が交換勤務中に所沢店で引き写真に取り組んだ時でした。
写っている構成要素すべてに、写っている理由がある写真を撮るために、「ストーリーのある引き写真」を意識し取り組んでいました。
その結果、以前より「この子は今この場所で、これをしている設定」など考えながら、自ら副主体を設置し、動きの誘導がスムーズになりました。
しかし、すぐに行き詰まりました。
「“これをしている設定”にはしたけど、これはこの子に合っているだろうか。」
「人を見てから撮る、が出来てないように感じる。」
「引き写真を1枚目で撮った後、2枚目以降に悩んでしまい、また撮るスピードが遅くなってしまった。」
交換勤務の最終日にボルボさんと少し写真の話をする時間をいただき、上記のことをお伝えしました。すると、その時いた分類室で、実際に私にストーリー設定をしながら説明してくださいました。
例えば、私が仕事中で忙しい人だとします。
それを表すために、書類を散らかしてみたり、電話を持たせたり。
私がしているのはここまでなのです。
しかし、ストーリーを持たせるためには、もう一つ重要なポイントがあります。
それは「私(被写体)自身には、どんなストーリーがあるのか」を考えることです。
例えば、私が仕事にイライラしているのであれば、表情は険しくなり、
「もうやってられないわー」とだれているのであれば、椅子に浅く座り、背もたれに寄りかかり、肘置きに肘をつきながら電話をしているかもしれません。
そして電話を切った後は、机に突っ伏してしまうかもしれません。
もっと言えば、これらのストーリーは被写体によって表現方法が変わっていきます。なぜなら、その状況でどんな感情になるか、どんな表情をするのかは、人それぞれだからです。カメラマンがしっかり目の前にいる被写体を観察し、設定していかなければなりません。
つまり、私が「ストーリー」を意識して撮っているのに苦しかったのは、1番大事な被写体のストーリーを考えられていなかったからなのです。
この写真の女の子はコーディネーターで入ってくれていたサキちゃんに「大人っぽい服がいい!」とはっきりオーダーをする子でした。そして、「サングラスかけたーい」とも何度も伝えてくれました。
優しいお姉ちゃんの一面も見ていたので、予想外に物事をしっかり伝えてくれる様子にびっくりしつつも、そのギャップを魅力的に感じていました。
そして着替えたお洋服。彼女のオーダーを見事に満たし、かっこよく可愛いコーディネート。これは本人も喜んでいるんじゃないのかなー、と思いながらどう撮るか考えます。
私は彼女の自信満々にも見える、まっすぐ見つめてくれるその目に魅力を感じていたので、本人の思う”大人っぽい”も取り入れつつ、クローズアップから撮ろうと決めました。
イメージとしては、女優さんクラスに美人な彼女を、奇麗だなーと見ていた人の視線に気づき、あえて視線を送る瞬間。
おしゃれをしてご機嫌な彼女に、女優さんさながらにサングラスをかけてもらい、いい女っぽく自信満々にサングラスを外しながらこちらを見る。口元だけ微笑みながら。そんな瞬間を撮りました。
この写真は彼女のシーンの2カット目です。1カット目はサングラスを外しながら、目を伏せているクローズアップです。カメラを見た2カット目で、よりドキッとできるように。
シーン全体で見たときに、ストーリーのオープニングのようになるように。
考えたストーリーが、まだまだ明確ではないこと、イメージを表現するための方法・技術が少ないこと、イメージの蓄積がたりないこと。課題はまだまだありますが、避けずにひとつひとつ向き合っていきます。
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