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横浜青葉店
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写真分析 / 光で遊ぶ⑤〜家族の場にて。

投稿日:2018/5/24

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Photo&Write by Reiri Kuroki
Coordi by Natsuko Takagawa

@Yokohama Aoba



ライトボックスを使用した、アンダーなライティングの、モノクロームの家族写真。

個人的には、普段はあまり選択することのない条件をことごとく選んだものだと思います。
今現在の自分の主題が『光』であることを差し引いても、なかなか挑戦的です。
勿論、幾つかの根拠があって、この結果物に至りました。

その根拠のひとつは、何より、このご家族だからこそ、です。
長男がお腹の中にいる時に初めて撮影でお会いして以来、このご家族の撮影をずっと担当させていただいています。
ふたりの夫婦から、3人家族になって、4人家族になって、前回はうつ伏せがやっとだった妹が1歳になって、自分なりの自己主張をするようになってきて……そんな、家族の変化と成長を、ファインダーを通して見続けさせてもらっています。
何しろとてもhappyなエネルギーのある、本当に素敵なご家族なのです。
一緒にいると、こちらが幸せな気持ちにさせられてしまう、明るくて楽しいひとたち。
そんなひとたちの家族写真は、往々にして光の溢れる明るい写真で構成してきました。
しかし、これまでの撮影回数も重ねている今回、家族の変化に合わせて少しだけ、写真表現も変化させたくなったのです。
勿論、明るくて素敵なひとたちだから、その本質は変わりません。でも、その『素敵さ』を、いつもとちょっと違う条件で表現してみること。
それは、撮影者として、このご家族をまた少し違う視点で見る、新しい発見でした。


『写真分析 / 光で遊ぶ①』と、環境は同じです。
ホリゾントと、ライトボックス。しかし大きく異なる点として、複数の人数で構成される『家族写真』であることと、色という情報を敢えて排除した『モノクローム』であることが挙げられます。
今回は、『いつもとちょっと違う表現』をしよう、というところから始まっています。
アンダーな露出設定で影を作り、影があるからこそ強調される光がこのご家族の『素敵さ』を代弁してくれるのではないかと考え、ライトボックス1灯の逆光、という条件を作りました。
その条件に合わせ、影と光を強調する為に色という情報を排除した『モノクローム』の選択をします。
そして、4人のご家族のそれぞれの表情を光が優しくなぞれるように、ご家族を向かい合わせた横顔のポージングを組みました。

このご家族の家族写真でモノクロームを使ったのは、恐らくいちばん最初のマタニティ撮影の時以来ではないかと思います。
その時の撮影者は私ではありませんでしたが、ふたりの横顔とまんまるく膨らんだお腹のラインがよくわかる構図で、全体的に白の割合が多い明るいモノクロームでした。
今回はその逆、影の多いモノクロームです。
光があるからこそ影もあり、影の中の光がより印象的に訴求します。
彩度という情報をなくすことで、光の階調が白から黒への濃淡でシンプルに表れた分、その印象はより際立ちました。
家族のムードメーカーでもある、babyの仕草は光源の中心で展開させました。兄に向かって伸ばされる小さな手と、それを見守りながら微笑むパパとママ。
それは、75カットの1枚目としてドラマチックなオープニングを飾る写真になりました。


いつもと違うものを、と、奇を衒うことばかりに気を取られてもいけません。
しかし、被写体の存在を表現する為の根拠を持って、新しい視点で構成された写真は、良い写真だと思います。
あなたたちの美しさを、印象的に残していく。
その為の1カット、です。



 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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