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「見る目」とは技術。
投稿日:2018/5/2
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Coordi by mayu kanasugi
write by Kaori Sasaki
先月からずっと気に入っている一枚。
とてもシンプルな一枚ですが、余韻を感じさせます。
この写真のポイントになるのが、圧縮効果とそれを活かすため人物にくっきりと当たる光です。
圧縮効果とは余計なものを極力削り主体となる被写体に集中させるための技法のひとつです。
この写真は被写体の目線や副主体の帽子に目が行く様、頭の先と足先を切って圧縮効果を利用し撮影しています。
もちろん被写体の体の一部を切って撮影するときには細心の注意が必要となります。
例えばこの写真を足首で切っていたら。
間違いなく全身の比重のバランスが足元になるにつれて細くなり、いわゆるアンバランスさが生まれるでしょう。
その為少しだけ足先の靴を入れています。
すると頭の先から足先まで体をひねったポージングにより、被写体が一直線のバランスになります。それによりバランスのとれた状態となっています。
また光が写真に向かって左側からくっきりと入っていなかったら。
全体的にのっぺりとし、写真の左側の空間が意味を持たないものとなってしまいます。
体にくっきりと光があたり被写体自身にグラデーションが出来ることで、左側から入る光がある事を想像させ空間に意味が生まれ、またその空間も余韻として感じさせます。
人物の顔に向かって左側に垂れる髪と右に垂れる髪に当たる光を見てみると、その10数センチの差で光に大きな差がある事に気が付きます。
ここまでくっきりとしたグラデーションを出すには人物に対して適切な光の角度が必要となる為、カメラマンにも光を適切に見る「目」が必要となります。
私自身も圧縮写真を撮るのですが、いつもなにか一つ足りない!と感じることが多くありました。
一枚を成立させ、それを良いものにするためには、ただ圧縮するだけでなく光の作り方、被写体のポージング、衣装のディテールや小物。たくさんのものに集中し撮らなければいけません。
カメラマンのその「目」とは、誘導であり、空間を作る事であり、それが技術です。
私自身もカメラマンとして産休育休中も写真の事を考え、インプットすることだけはやめずに戻ってきたときの自信になるように、有効に時間を使いたいと思います。
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