Photo by Natsuko Takagawa
Coordi by Kaori Kobayashi
@Yokohama Aoba
 
 
「子供がそれぞれ10歳になるまでは、それぞれ75カット撮ってあげたいんです」
 
 
去年お姉ちゃんの1歳記念でご来店されてたママさんが、今年は妹ちゃんを連れて撮りに来てくださった。
ママさんいわく、この１年間が本当にあっという間で、「子供」の時期はあっという間に過ぎ去ってしまうものなんだと実感されたとのことだった。
今しかない、という焦りにも似た強い想いを感じた。
 
話に聞くと、去年1歳だったお姉ちゃんは今年2歳になって、妹も生まれて、イヤイヤ期と赤ちゃんがえりが同時に来て、大変なんだそう。笑
それを困ったような、でも楽しそうに笑顔で話して下さるママさんが印象的だった。
 
二人を同じように愛しているからこそ、同じように残してあげたいというママさん。
家族としての時間も大切だけど、それぞれふたりの時間も大切にしたいのだろう。
まだ寝るような姿勢しかとれないこの時期の妹ちゃんの姿をしっかり残したい、と思い来て下さったママさん。
 
私はまだ結婚もしていなくて子供もいないから想像でしかないが、
ママさんがこんなに強い思いを持って来てくださったということは、それほどに目まぐるしく日々が過ぎていくのであろう。焦るほどに。
 
だからこそ、静かな雰囲気の家族写真を撮ろうと思った。
時間が止まって欲しいと思うこともあるはずだから、
ゆっくり、止まったような、静かな印象の写真にしたくて、大きく余白を開けた。
ママさんの深い愛情が伝わるように優しくキスしてもらう。
その愛情は、優しく包み込むように触れている手の柔らかさにも出ていると思う。
 
また、顔の位置をしっかり合わせて抱っこしているため、より密着度が増し、
首を少しかしげてキスしていることで、首筋やフェイスラインが綺麗に出ている。
 
過ぎる時間の速度は変わらないけれど、その時間を長く感じてもらえたら。
その時間を未来にも届けることができたら、良いな。と、思う。
 
そのご家族が何を残したいのか、そのためにはどう撮ったらいいのか。
残したい今を、より美しく残せるように。
インプットして、実践していきたい。