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横浜青葉店
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Aobaジェニック  February.2018

投稿日:2018/3/15

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Photo by Natsuko Takagawa
Coordi&Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba
 

「私らしさ」とはなんだろう。
ここ最近、ずっと考えていることのひとつです。
 
いつも合わせることを考えながら撮影に入っています。
その対象はカメラマンであったり、被写体であったり、周りにいる第三者であったり…。
「こうしたいのかな」
「こういう写真が撮りたいのかな」
周りの声を聞きながら、出来る限り周りの人に合わせて動けるように。
それは私の性格的な欠点を補うためでもあります。
私はもっと周りの人に合わせられるようになることが必要だ、と思っています。
今までは周りの人に合わせてもらうことが多く、むしろ「それが当然」くらいの気持ちでいたかもしれません。
それではいけない、と気づいてから今まで、
「人に寄り添う」ということを第一にずっとコーディネーターをしています。
 
ですがその姿勢でコーディネーターをしていると、また別の声も聞こえてくるのです。
「もっと自分色出した方がいいんじゃない?」
「もっと自由にやってくれていいのに」
カメラマンに合わせながら動いているわたしでは、
カメラマンの撮りたい気持ちというのをあまり引き出せていないのかもしれません。
 
撮影に入りながら「もっとこうやって遊ばせてあげたい」と思うことは少なくありません。
ですがここは公園ではなく写真スタジオですので、それをやって写真が撮れるのかというのを第一に考えなくてはいけません。
そしてそれは「らしさ」をプラスすることの難しさにも繋がっていくのです。
私がこうしたいと思うのと、それで写真が残せるのか。
選択は常に「写真が残せる内容で」と限られていきます。
 

 
女の子はとても笑い上戸で、とにかく写真に撮られるのが好きな女の子でした。
入学の撮影ではじめてライフスタジオにきてくれた彼女とたくさんのお話をしながら、
「なんだかいつもと違うことをやりたいな」
「彼女らしいことをさせてあげたいな」という気持ちが起こりました。
そして彼女であればいくつかの条件の中でも、それを楽しんでくれるのではないかなと思ったのです。
カメラマンのなっちゃんに相談すると同じ気持ちをもってくれていました。
提案したのは女の子が大好きだという「おえかき」です。
 
普段、おえかきをあまり提案しないのには理由があります。
大体の子がおえかきに集中し過ぎてしまい、私たちの声が届かなくなり、
そうなると絵が描き終わるまで集中する横顔ばかりが撮れることとなります。
「今描いてるんだから静かにしてて!」なんて怒られてしまうこともあるのです。
 
でもせっかくならば、その時、その子が好きなものと一緒に残してあげたい。
その気持ちはいつだってあります。
「次はおえかきをしようと思うんだ」と女の子に告げると、とても喜んでくれました。
 

 
日中の長い日が入る場所に寝っ転がり、はじめるおえかき。
スケッチブックがあればよかったのですが、彼女に渡せたのは1枚の紙のみでした。
それだけではあまりに寂しい写真になってしまいそうだったので、
手元には色鉛筆と星型の積み木をちりばめてみました。
インテリアはほとんど映り込まなくなるうつ伏せでの撮影。
彼女の手元に小物があることで、なっちゃんが撮影しやすくなればいい。
私はファインダーを覗いていないため、この状況がどのように写真に残るのか、その細部までは想像するしかありません。
なので周りに置く小物は希望。
邪魔ならどかすだろうし、可愛く撮ってもらえたら嬉しいなぁという希望です。
 
普段と少し違う撮影をするため、カメラを握るなっちゃんの集中があがります。
そうなれば私のやることは一つです。
いつも通り、カメラマンの様子をうかがいながら、子どもとの会話をはじめます。
彼女に提案したおえかきにはひとつだけ条件を付けました。
「私の出したお題でおえかきをすること」です。
 
「10秒でくまの絵を描いて」
「そのくまにお化粧をしてあげて!」
なんてお題を出すと「むりー!!!」とか「待ってー!」とか言いながら楽しそうにおえかきをしてくれました。
そしてその姿はばっちりと写真に残すことが出来ました。
好きなことをしている彼女の顔は、すごく生き生きとしていて、この提案が出来て良かった、と思えるものでした。
 
最終的に仕上がったちょっぴりメイクの濃いくまは、
封印するかの如くランドセルの奥深くにしまい込まれてしまったのは余談です。
 

 
その子らしい撮影をしてあげたいと思う気持ちの反面、
それでは写真が撮れないかもしれないと逃げてしまう自分がいます。
その逃げは「私らしさ」からも逃げているのかもしれません。
 
こどもが好きなことをしている姿が好きです。
その姿を残してあげたいなと思っています。
それは私がしたいと思うことであり、そんな写真は少しだけですが私色の現れた写真なのかもしれません。
それには私自身の技術が必要となってきます。
なにをしていても確実に写真に残せるようにする技術が必要なのです。
 
「彼女らしさ」に「私らしさ」もプラスすること。
これからもっともっとそのための方法を探していかなければなりません。
そう感じた撮影なのでした。
 

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2018年2月の横浜青葉店のベストフォトことAOBAジェニックはこの一枚に決定いたしました!
写真を撮っているのは、カメラマン一人ではありません。
色んな人達がお互い影響し合って、良い写真となるのです。
そんな写真が作られる過程が見えた一枚に決定いたしました!!!
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