環境が変わること、初めて挑戦すること、少しずつオトナになっていくこと。

 

成長を残していくこの仕事では、そんな場面に遭遇することがあります。 

これは誰もが通り、誰もがこれらに不安を抱えたものだと思います。

もしかしたら今だって、漠然とした未来や不確かなものへの不安を感じることだってあるかもしれません。

 

彼女は10歳の記念として、久しぶりの写真撮影に訪れてくれた女の子。

人見知りと緊張からなかなか声が聞けず、初めての場所や人にどことなく心細そうな不安そうな彼女の雰囲気がありました。

そんな彼女に安心してもらえるように、話しかけてみたり、パパママと話して空気を和ませられればといつもよりたくさんたくさん話をしました。

 

撮影をしていく中で、彼女からふと出る笑顔の柔らかさや、緊張の中でも一生懸命応えてくれる優しさを感じて、歩み寄ってくれているのだと、この時間での変化も感じました。

 

そして大人っぽい彼女のちょっとしたおふざけでクスっとしてくれたり、結構いたずらっぽさがある年相応の部分を見つけた時、この子も成長の過程にいるんだなと感じました。

 

あの不安げだった雰囲気も成長の過程だとしたら、それも残してあげたらどうだろうか。

 

シンプルなワンピースに無造作なヘアでオトナっぽさを引き出し、裸足で心許ない感覚を。

 

縮こまり体を小さくする仕草には「不安」や「恐怖」という心理が作用しています。

小さくなっていることが伝わるように空間を大きく切り取ります。

 

ただ不安そうなだけの写真にならないように、顔にはしっかり光が当たり表情は柔らかくなるように声かけをしました。

 

貴女が見ている先には、きっと明るい未来が待っているよ、不安がらずにオトナになっていくことを楽しみにしてくれると嬉しいな。

 

そんな想いを込めてこの文章を送ります。