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草加店
ポージングって?
投稿日:2020/5/11
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「被写体が写真の中に自然な姿で、かつ美しく存在していること」
だと私は考えます。
というのも私はポージングというものにどうしても苦手意識がついて回ります。どうしたら自然に見えるのか、美しく見えるのか。このポーズは不自然じゃないのか。どこを直したら自然に見えるのか。何が違和感なのか。やればやるほど頭の中が整理できずに絡まってしまうような感覚に陥ります。
ポーズは非日常であるスタジオに被写体がいかに自然に存在しているように見せるかの大きなポイントになると思います。ポーズに違和感があれば存在自体に違和感が出て、世界観とちぐはぐ、一枚の写真としてもクオリティに差が出てきてしまいます。
そしてもちろんカメラを意識したカメラ目線も大事な一枚ですが、カメラを意識せず自然体でその場に存在する一枚にこそポージングはより重要なのではないかと感じます。
そんな時に頭に浮かぶのは、「動作」の指示です。
ただ膝を曲げて、足を乗せて、靴に触ってと指示をするのではなく「動作」として伝えること。
人はどこかに重心を預けているのが自然な姿勢だと言いますが、この重心の見極めが難しく、自分のイメージしているポーズはどこに重心があるのか、ただ背筋を丸めた形が美しいのか、と問われるとまた難しい問題だと思います。
ですが、言葉の指示を最低限の形を作った上で日常の動作として伝えると「その人の自然な形」に戻ることができると考えています。
今回の写真で言えば、
「右足を椅子の上に乗せて、靴紐を結んでみて」
と投げかけたのではないでしょうか。
もちろん年齢によって言葉は違ってくると思います。
しかしこの指示で、自然と彼女の重心は左側から足元を覗くように動き椅子の上で無理のない姿勢に動くことができました。
きっとこの動きをひとつひとつロボットのように動かしていたら関節一つにまで自然になるような調節をしなくてはならないでしょうし、きっとひとつひとつ動かすのでは返って不自然なチカラが入ってしまうと思います。
ですがこの靴紐に触れる指先まで「この子の自然なカタチ」で触れることができています。
一度動作をやってみてもらい、そこから顔の角度や体の向き、カメラの位置等微調節をしながら撮影していけば自ずとベースの自然さを損なわずに美しいポージングができるのではないでしょうか。
衣装がパンツスタイルであるために、片足を大胆にあげることができ、靴紐に触れることで出かける準備のような、これから駆け出していくような、そんな連想にも発展することができます。もちろん表情までもがポージングだと考えるのであれば彼女の表情からも彼女の元気で活発な一面ともリンクするポージングにもなっているのではないかと思います。
彼女の内面と、その場にいる条件、仕草がリンクすることが「ポージング」であると。
それが難しいのでまずはポージング集、買おうか検討中です。
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