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研鑽の証

投稿日:2019/11/1

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Photo by Lisa Arai

coodinate by Izumi Hashimoto

Written by Izumi Hashimoto

 

写真の彼女は、七五三を迎えた妹さん、ママさん、パパさんと一緒にスタジオにやってきました。
「着物の撮影のほかに、姉のバレエ姿も撮影してほしいです」とママさんから事前に依頼されていた今回の撮影。撮影にいらっしゃるたびにバレエ姿を撮影していらっしゃるようで、お話しを聞いたとき「お姉ちゃんの頑張りを残しておきたいんだな」と素直に思いました。

とはいえ、私もリサさんもバレエ経験のない全くの素人。バレエの専門知識なんて何もないのでどんなポーズをとってもらえばバレエらしい美しい姿を残せるのかは教えていただかなければまるでわかりません。ママさんの持ってきてくださった参考写真やバレエの定番ポーズなどを教えていただきながら撮影は進んでいきました。
バレエは舞台上で魅せる踊りであるのでただ動いてもらうだけでとても美しいです。しかしその美しいポーズはあっという間に次のポーズに移り変わるので、一番美しい瞬間というのを残すのはなかなか難しいものでした。踊っている一連が美しいので変なところで切り取ってしまうとせっかくの美しさが台無しになってしまうのです。

どうしたら踊る彼女の美しさを残せるだろう。

ママさんにポーズのアドバイスをいただきながらより魅力的なやり方を探していきました。
そうやってママさんとお話しているうちに分かったのが、ママさんのバレリーナに対する深い尊敬と憧れでした。
ママさんはバレエに対する見識がとても深く、ママさん自身はバレエの経験はないそうなのですが、やったことがないからこそ自分では出来ないことをやってのけるバレリーナをとても尊敬しているのだと伝わってきました。バレリーナのことを話すママさんの目はとてもキラキラしていてまるで少女のようでした。
そんなママさんから伺った話の中に一つ、とても心に残ったのが美しいバレリーナのシルエットは足がS字になっている、ということでした。

普通人間の足は膝があるのでS字のシルエットになんてなりません。しかし血の滲むような努力を重ねたバレリーナの足はとてもきれいなS字を描いているのです。足の関節の柔らかさや美しく均整の取れた筋肉によって生み出されるそのシルエットは人間離れしています。そこまで至るのにいったいどのくらい時間が費やされたのか…

そんな話を伺って改めて被写体であるお姉ちゃんと向き合うと今までと違って見えてくるものがありました。
それは、彼女のスタイルつまりは体型です。そこにいる彼女は参考にと見せてもらったバレリーナの様、とまではいかないけれど、それに準じる努力をしてきた人だからこその姿をしていて、「ああ、日々積み重ねてきたことはこうして姿に現れるのだ」と感じさせられました。

その日々の研鑽を写真の中に残せないかと模索し、生み出したのがこの写真です。

あえてモノクロ、逆光を使用し要素をそぎ落とすことで見るシルエットを浮かび上がらせることで彼女の均整の取れた姿をより印象的に見せています。
俯いた彼女の静かな表情は練習風景を覗いているような気もすれば幻想的な演目が始まる瞬間のような緊張感も写真の中に漂っています。

彼女がいつまでバレエを続けるかはわかりませんが(個人的にはやれる限り続けていってほしいです)、
積み重ねたものは確かに自分の中に生きているとこの写真を見て思ってもらえる日が来たら嬉しいです。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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