Photogenic
草加店
scrollable
奇跡じゃない
投稿日:2018/4/7
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第一印象がこんなに残るなんて。
7歳の一人っ子。
大人しくヘアセット中の彼女に挨拶をしました。
名前を聞いただけだったでしょうか、特にこれといった会話もしていないような気がします。
口数は少なく、こちらのテンション高めのボケには優しくハニかんでくれるだけでした。
一人っ子という環境のせいか、着物を着ているという条件のせいか、美しく大人びた顔立ちのせいなのか、本当に7歳?という落ち着きで、彼女独特のオーラを感じたのです。
どうにかその印象を写真で残せないか、と思いました。
草加店は大きな窓が特徴的で、晴れている日にはたくさんの自然光が入ります。
その為、明るい写真を数多く目にすることができます。
しかし彼女を表現する為に1カット目に私が選んだのは、普段は撮らない場所。
自然光が入ってくる窓より少し手前の位置。
いつものように光量が多い場所ではありません。
しかし私が感じ取った第一印象の彼女を表現するのにぴったりの場所だと思いました。
横顔でハイライトを作り、濃いまつ毛と綺麗な鼻筋、まだ僅かに残る頬の幼さを表現しました。
光量を調節したことで、見る人によってはアンダー気味に思える写真ですが、この色味こそ第一印象の彼女とハマった気がしたのです。
美しくもどこか影のあるような。
その後、アシスタントをしてくれた正国さんと「正国タイム(※正国さんがスベってシーンという雰囲気になること)」も乗り越え、パアッ!と明るい笑顔も見せてくれた彼女。
だんだんと私たちにも慣れてきて、たくさんの表情を見せてくれました。
2シーン目、3シーン目と、どんどん彼女の本性が現れて、最初に感じたオーラは何処へ?という状況にもなりました。
それでも分類中、私の目に留まるのは最初に撮ったこの場所でのカットでした。
私の彼女への第一印象が強く残ったのだと思います。
そして、それを写真として納得のいく表現ができたからだと。
彼女との出会いは奇跡だったのかもしれませんが、
イメージを持って条件を作って撮ったこの写真は、奇跡じゃないのかもしれません。
Photo & Write by Lisa Arai
Coordinate by Masakuni Kikuchi
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