Photo & Written by Kotaro Yatsu


人と人が重なるときに、収まる場所というものがあります。

収まりの良い場所とも言い換えることができるかもしれません。

 

結婚して10年経っても、2人にとって抱きしめた時の一番収まりが良い場所というものは変わらないのだと、

この寫眞を撮影して改めて 見つめ直すことが出ました。

 

海外にいると、路上で抱き合う男女なんて当たり前に見かけます。

彼らを見て最初に思ったのは、無理のない距離感ということでした。

見せつけるわけでもなく、いつものと同じように接しているその姿を見ると、

自然とカメラを向けてシャッターを切っていたことを思い出しました。

 

大人を撮影するときによくある事は、子供よりも分かりやすい緊張感です。

子供はカメラを忘れる瞬間がありますが、大人はそう簡単にはいきません。

形を綺麗に見せる事で、その不自然さは幾分調和されることがありますが、

本来の距離に近づいたとは言えません。

ジグゾーパズルのピースが繋がった時のように、

ピッタリと寄り添うその姿が、本当に印象的で美しいと思いました。

 

パパが考えた結婚10周年のサプライズ。

ママは本当にビックリして、その瞬間撮影であることを少しだけ忘ているようでした。

ママの心が開いて緊張が解けた瞬間に、パパの緊張もすっと解けました。

 

最後に交わしたパパとの握手。

 

カッコいい男の手でした。